Facebookは現実店舗でのオフラインのショッピングにも役立つことを実証しようと新機能のテストを行っている。TechCrunchが得た情報によると、FacebookはユーザーにカスタマイズされたQRコードを提供し、特定の店舗で割引やボーナスを得られるようにするという実験を行っている。実験対象のユーザーの場合、モバイル・アプリのmoreタブにRewardsという新機能が表示される。
この件でFacebookに取材したところでは、テストは数ヶ月前から開始されたということだ。公式説明は以下のとおり。「各種のビジネスが消費者との結びつきを維持、拡大するのを助ける努力の一環として、われわれは小規模なテストを行っている。これはテスト・プログラムの参加店舗でFacebookのユーザーがショッピングをする際、アプリを通して割引やボーナスポイントなどを得られるようにするものだ」。
このFacebook Rewards機能は消費者、店舗、Facebook自身の利益の拡大を目指している。消費者はFacebookのメンバーになっていることで割引やボーナスポイントを得られる。マーチャントはSNSと口コミの力によりコストパフォーマンスの高い方法で集客ができる。リピート客を作り、店舗に繰り返し足を運ばせることができればRewardsプログラムにかかる費用よりはるかに大きな利益を上げることができるわけだ。
ショッピングの際に新たなインセンティブを提供されればユーザーにとってFacebookの魅力が増す。またビジネスからはRewardsプログラムをプロモーションする広告の掲載を見込むことができる。さらにFacebookは「誰がいつどの店でどんなプロダクトを購入するのか?」という重要な情報を得ることができる。これはニュースフィードへの記事の選択と広告のターゲティングにおいて非常jに貴重な情報となる。
Snap Inc. もブリック・アンド・モーターと呼ばれる現実店舗でのショッピングを促進し購入履歴を得る独自の機能をプロモーションしている。店舗やブランドはこれはSponsored
Geofilters広告と呼ばれ、参加店舗の付近にいるSnapchatのユーザーには店舗に関連ある写真やビデオが配信される。Snapは同時に “Snap to Store”プログラムにより、ユーザーが付近に来ていることを店舗側に知らせる。
2012年にOffersをスタートさせたときから店舗におけるディスカウント・セールに役割を果たすことにFacebookは関心を抱いていた。Offersは昨年機能を強化された。Offersはオンライン、オフラインの双方で利用できる。具体的には特別のプロモーションに関連づけられたバーコードで、オフラインのショッピングならレジでスキャンされる。オンライン通販であればチェックアウト過程の一部として送信できる。FacebookはOffersは口コミで大きな成功を収めたと述べている。
この間Facebookはオンライン広告をオフラインの購入に結びつけるなど「消費行動のループを完結させる」方法を各種実行してきた。FacebookはDatalogix、Epsilon、Acxiom、BlueKaiなどのデータプロバイダーと提携して消費者のオフライン・ショッピングの情報をインデックスしている。またPOSシステムの有力企業、SquareやMarketoの協力を得て購入に直接結びつく広告を表示し、 GPS、Wi-Fi、携帯無線の中継塔その他から得られる情報を動員し、付近の店舗にユーザーを誘導しようと試みている。
Rewardsはその名のとおりいわゆるロイアルティー・プログラムに属するが、単に店舗側でスキャンできるのコードを提供するだけでなく、ユーザーごとに個別のQRコードを配信する。
消費者は来店ごとにレジでこのコードをスキャンさせていれば自動的にロイアルティーカードにポイントが加算されていく。
店舗別の顧客カードは失くしやすいしいちいち取り出すのも面倒だ。ストアアプリの場合は新しくダウンロードしてインストールする必要がある。 しかしRewardsはFacebookのモバイルアプリの一部をなすのでユーザーは常に持ち歩いているし、すぐに提示することができる。今後FacebookがRewardsのテストで好結果を得るようなら、全面的に展開されることが予想される。一方で、ロイアルティーカードをビジネスの柱とするスターアップはある朝突如、巨大なブルーのロードローラーがマーケットを踏み潰していく可能性に直面するかもしれない。
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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+)