Facebookは、広告主がその場で商品を販売できるようにして、別のアプリやサイトに飛んでいくのを防ぎたいと思っている。これまでFacebookは、そのための購入ボタンを選ばれたいくつかの店舗でテストしてきたが、このほどEコマースプラットフォームShopifyの小売店に広く公開した。
これは購入ボタンを誰もが使えるようにするための大きな一歩であり、売り手がコンバージョン率を上げ、ショッピングをスピードアップさせると同時に、Facebookユーザーは塀に囲まれた庭の中を行き来するようになる。購入ボタンはFacebookのPinterestに対する競争力を高めるのにも役立つ。Pinterestはつい最近独自の購入可能ピン を導入して、同じくフィード内の取引を可能にした。またGoogleも同じようなサービスを広告内で提供している。
購入ボタンは、Shopify店舗の持つFacebookページ記事およびスポンサー付広告に表示されるので、普通に投稿することも、料金を払ってリーチを増やすこともできる。店舗のウェブサイトにジャンプさせることなく、記事中に購入ボタンを置くことによって、ニュースフィード内でのチェックアウトが促進される。買い物客は、Facebookに支払い情報を登録していればそのままで、そうでなければ情報を入力して購入を完了した後、Facebookingに戻る。
Facebookはこう言う。「このテストは、この機能が様々な業種でどう売上を促進するかを知るために行っている」。Facebookは、ファッション、電子機器、工芸品等、どんな商品に一番向いているか、また購入過程に漏れがないかを知ろうとしている。Shopifyの店舗は、Facebook経由の売上をそれ以外の実績と比較して分析できる。
FacebookにとってShopifyとのテストが便利なのは、標準化されたEコマースバックエンド向けに購入ボタンを作ることが可能で、様々なプラットフォームをサポートする必要がないためだ。Facebookは、別のEコマースプラットフォームであるEcwidでも、同じような方法で支払い情報のオートフィルをテストした。
FacebookはEコマースへの参入方法を決めかねていた。最初のギフトストアでは、Facebookから直接商品を買い友達に送ることができるようにしたが、パッとせず閉鎖された。次は支払い情報のオートフィルで、サードパーティーのモバイルアプリでのチェックアウトを手助けしようとした。そして今回、外部小売店によるFacebook内での販売、という方式に落ち着いたようだ。
これはFacebookによる、インターネットを呑み込む探究の一環だ。インラインビデオ再生、Instant Article、Messengerアプリとゲーム、近くの場所等、様々な機能が同じ戦略を推進している:ユーザーを離すな! YouTubeで見たり、ニュースサイトで読んだり、他のアプリでゲームをしたり、Yelpへ行ったり、クリックしてどこかで買い物をしたりする代わりに、Facebookはユーザーのあらゆる行動を自社サイト内で完結させることによって、オープンでつながった世界というミッションを追究しつつ、広告を見せることができる。
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(翻訳:Nob Takahashi / facebook)