FacebookがMusical.lyに対抗して行おうとしていることの中には、単なるリップシンク(口パク)機能以上のものがあるかもしれない。 どうやら”Talent Show”(タレントショー)という名前で呼ばれるものにも取り組んでいるようだ。この機能はユーザーがポピュラーソングを歌って競い合い、審査のために投稿することを可能にする。この機能は現在有効にされていないが、研究者のJane Manchun Wongによって、Facebookアプリのコードの中から発見された。
Wongはこれまでも、未発表の機能やテスト中の機能を、リバースエンジニアリングの手法を使って発見してきた実績がある。彼女がこれまでに発見したものには、例えばInstagramの時間消費計測機能、Lyftのまだ始まっていない自転車やスクーターのプログラム、Instagramのアップグレードされた二要素認証システム、IGTVビデオを表示する新しい方法などのようなものがある。
“Talent Show”の場合、Wongは、ユーザーが人気曲の一覧の中から歌を選ぶことのできるインターフェイスがあることを発見した、そのあと選ばれた曲をユーザーが歌って録音する手段が提供されている。
また、このアプリケーションのコードは、この機能を”Talent Show”という名前で参照し、”audition”(オーディション)や”stage”(ステージ)といった要素も含まれている。Wongによればオーディションはビデオとして読み込まれるようだ。
FacebookはTalent Showに取り組んでいます。ユーザーは人気のある曲を選んで審査のために投稿することができます。
私が以前発見したようなMusicallyとBlack MirrorのFifteen Million Meritsがクロスオーバーしたような感じ:
https://t.co/jHsYQpEvgo pic.twitter.com/TfC2Og5wlw
この開発は、Facebookが最近買収した、音楽ライセンスの権利を活用する別の方法を同社に提供することになるだろう。昨年からFacebookは、すべてのレコードレーベルとの提携を始めた。ユニバーサル、ソニー、ワーナー、およびその他いくつかのメジャーや、インディーズが相手だ。まずは、この提携により、Focebookはユーザーのビデオの背景で流れる、著作権で保護された楽曲を削除する必要がなくなる。だが同社は、今後も新しい「音楽ベースの」製品を開発するために、その権利を活用する予定だと述べている。
FacebookのTalent ShowとInstagramのMusic Stickersは、新しいRights Managerを通して、レーベルから提供される音楽を取り込みます。
そのうちの1つは、10代の若者たちに人気のあるリップシンクアプリケーションであるMusical.lyを、ほぼそのままコピーしたLip Sync Liveだ(Musical.lyの登録ユーザー数は現在2億人以上でアクティブユーザー数は6000万人を数える)。Musical.lyと同様に、Lip Sync Live(まだテスト中だが)は、リップシンクの動画を友人たちに配信することができる。
これに対してTalent Showは(コード解析が正しいと仮定すれば)、異なるアプローチを採用しているようだ。単に楽しみのためにリップシンクをするのではなく、ユーザーたちは実際に歌い競い合うのだ。これは最近リリースされたアプリFameGameに似ている。しかしWongは、この機能はFacebookの新しいトリビアゲームショー機能と同様に、Facebook Pageに限定される可能性があると指摘する。すなわち、この機能は自分のページでゲーム機能を構築していて、その目的のためにFacebookプラットフォームを利用しているパートナー限定で提供される可能性がある。
Wongはまた、Talent Showが新しいRights Managerを使って音楽を取り込むことも確認している。Rights Managerはレーベルたちによって、著作権で保護された楽曲をFacebook上で追跡するために利用されている。
何年にも渡ってFacebookは、フォローを集める他のソーシャルアプリに狙いを定めて、例えばSnapchatの最大の特徴をStoriesで複製したように、そのコア機能を独自に実装してきた。ということを考えれば、Musical.lyのリップシンク機能がその視野に入っていても特に驚きはない。そしてTalent Show機能によって、新しい歌の才能が発見される場所としてYouTubeに挑戦することも可能だろう。
Facebookのコメントがあれば、この投稿を更新する。
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(翻訳:sako)