PeriscopeやMeerkatがモバイルでのライブストリーミング旋風を巻き起こす前からFacebookは、有名人がファンに動画をライブで配信する機能に黙って着手していた。今日、FacebookはMentionsアプリで「Live」機能をローンチした。当面は、認証ページのあるセレブのみが使用できる。
VIPは、ユーザーがニュースフィードから視聴できる動画の配信を始めることができ、ストリームの上にリアルタイムで流れるコメントを見ることができる。動画は録画され、後から視聴することも可能だ。The RockやSerena Williamsといったスターは、今日ストリームを行う予定だ。
一般ユーザー向けのストリーミング機能について、LiveのプロダクトマネージャーであるVadim Lavrusikは言及しなかったが、「有名人とユーザーにとって素晴らしい体験を提供できると思います。有名人と視聴者の双方からフィードバックを得て、プロダクトを改良していく考えです」と私に話した。
PeriscopeやMeerkatではなく、なぜFacebook Liveを利用すべきなのだろうか?Lavrusikは、「有名人はFacebookで既にファンを多く抱えていて、毎日何かをシェアしています」と説明した。つまり、リーチがあるということだ。Facebookのファンは多く、他のネットワークより広くオーディエンスにリーチすることができる。
もう一つの理由は、動画が消えないことだ。Meerkatでは動画は直ぐに消去され、Periscopeでも24時間しか有効ではない。(カメラロールに保存することはできる。)Lavrusikは、Facebookの動画視聴の53%はシェアされた投稿を経由しているので、動画配信が終わってからも同様のことが起きるだろうと説明した。
動画の配信者が保存したくない、あるいは短い間だけ配信したいと思った場合は動画を削除することもできる。消去しない場合、自動配信したライブ動画はその後、通常の動画に変わる。これは、セレブがライブ配信に時間を割くのに値する機能と言えるだろう。
Facebookはニュースフィードにフィルターを設けているため、リアルタイムのコンテンツには向いていなかった。彼らは開発中、ライブ配信が視聴者にしっかり届くことを確かめてきた。セレブをお気に入り登録しているユーザーのフィードに早く投稿を表示するだけでなく、FacebookはセレブのPageと最近関わったユーザーにはプッシュ通知で動画配信の視聴を促す。これで、何年も前にそんなに好きでもない俳優やスポーツ選手に「いいね!」しただけのユーザーを邪魔することなく、適したオーディエンスの気を引くことができるだろう。
FaceScope
2014年7月に「Mentionsをローンチする前から、ライブ動画の配信をしたいという有名人からの問い合わせがありました」とLavrusikは私に伝えた。Mentionsはセレブが自身に宛てられた大量の投稿やメンションを管理して返信するためにデザインされたものだ。有名人の中には、ライブ動画が「ファンと最も深く、誠実に関わる方法」と主張する人もいたと言う。
メンローパークにあるFacebookの本社の小さなチームは、このLive機能に9月から着手していた。Meerkatは2月に、Periscopeは4月にローンチした。Facebookがこの分野にどう取り組むのかと多くの人が質問したが、彼らは沈黙を守り、コメントのやりとりをする機能に磨きをかけていた。Periscopeのチームも同様の機能を完璧に仕上げるのに数ヶ月を費やしていた。最終プロダクトではライブ動画を綺麗に見せるためのコメントの調整機能が充実している。
セレブがMentionsで配信を始めると、「Live」のタグの付いた動画がニュースフィードに配信される。ユーザーはそこから動画を視聴し、コメントできる。しかし、配信者をユーザーの膨大な量のコメントで圧倒しないよう、Facebookは読める程度の一定の間隔でしかコメントを表示しない。コメントを一切表示しないようにもできる。悪質なコメントは自動的に隠され、配信者はPageのブラックリスト設定に、言及したくない話題に関する言葉を加えることができる。
ライブ配信を親しみやすくするため、Facebookは友人がライブ配信を視聴始めた時にはそれを表示する。また、配信者は他の認証されたセレブが視聴している場合も確認することができる。一つ足りないのは、動画が配信されている最中にストリームをシェアする機能だ。
配信を終えた後でもニュースフィード上の投稿と動画は消えないが、「Live」のタグは消える。視聴者は動画をいつでも再度視聴することができるが、コメントは動画にかぶさるようにではなく、一般的なコメントのように一覧で表示される。配信者がコメントに対してストリーム内で応じていたのなら、コメントをリアルタイムに録画に表示しないこの仕様は、動画とコメントを分断し、体験を損ねてしまうかもしれない。
Facebookがそもそもセレブを惹きつけることができた広いリーチをライブストリームでも発揮できれば、フィードを埋め、広告を集めるための魅力的な動画コンテンツが多く製作されることにつながるだろう。
ユーザーの中にはFacebook Liveで自身のストリームが出来ないことに対して不満を持つ者もいるだろうが、限定することでこの機能にユーザーが飽きてしまうことを防ぐことができるかもしない。PeriscopeやMeerkatでは、ユーザーの「こんにちは」や「私の今日の朝食です」といったつまらないストリームで溢れ、その通知に友達をうんざりさせている。最初にセレブだけが利用できるようにすることで、一般ユーザーに対してストリームする価値のある瞬間はどのようなものかを教えることができるかもしれない。
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