Facebook(フェイスブック)は米国時間11月17日、子供が友人や家族と交流しやすくするためのメッセージングアプリ「Messenger Kids」のアップデートを提供開始した。今回のアップデートでは、チャットバブルの色を変更するなど、様々なパーソナライズができるようになるほか、この子供用アプリのルック&フィールが一般用の「Messenger」により近くなった。
このアップデート版では、メッセージが到着したときに点滅する大きくてカラフルなブロックを廃止し、チャットが縦に並ぶ伝統的なメッセージングアプリのデザインになった。子供の未読メッセージは、受信箱の一番上に表示され、横に青いドットが付くようになり、これまでより気付きやすくなった。メディアとメッセージのプレビューも追加され、子供たちが会話の更新情報をより簡単に確認できるようになった。
画面の下部には「Chat」と「Explore」という2つのナビゲーションタブも備わった。この新しいナビゲーションによって、子供たちは会話とミニゲームなどアプリ内アクティビティを切り替えることができる。
また、新たにスワイプジェスチャーも導入され、子供たちは受信箱から直接通話を開始できるようになった。
さらに今回のアップデートでは、チャットバブルの色を変更できるパーソナライズ機能も追加された。これは個人チャットとグループチャットの両方で利用可能だ。
Facebookはこのアップデートを「テスト」と称しているが、今回の変更点は単なるレイアウトやナビゲーション、機能追加のような微調整ではない。改訂だ。そのため、ユーザーのフィードバックに基づいて後から取り下げるような実験的なものである可能性は低い。Facebookはこれをテストと称することで、グローバルに展開する前に自らに猶予を与えようとしているのだ。
同社によれば、これらの新機能はまずアメリカとカナダでiPhoneを使っている子供たちに提供を始めるという。このアップデートはその後、数ヶ月以内に他のデバイスや市場にも拡大される予定だ。
このMessenger Kidsがアップデートする少し前に、Messenger自体が重要なアップデートを受けた。このアップデートでMessengerは、視覚的な改良が施されたほか、新たなチャットテーマや、カスタムリアクション機能、セルフィーステッカー機能、そしてチャットが消滅するバニッシュモードが追加された。さらに、Instagram(インスタグラム)ユーザーとコミュニケーションできるクロスアプリコミュニケーションもサポートした。これらのアップデートが、Messengerキッズの改良にもつながったと思われる。両者はアプリの基礎となるメッセージング・インフラストラクチャを共有している可能性が高いからだ。
Messenger Kidsアプリは導入開始から数年の間に、着実にアップデートを繰り返してきた。直近のアップデートでは、Facebookが収集したデータをどのように利用しているかについて、詳細な説明がなされている。
保護者は、この子供用メッセージングアプリが現在も多くの個人情報を収集していることを認識しておく必要がある。その個人情報とは、名前、プロフィール写真、性別や誕生日、親との続柄、連絡先の情報(最も頻繁に連絡を取る連絡先など)から、アプリの使用情報、デバイスの属性や固有の識別子、デバイスの設定からのデータ(タイムゾーンやカメラや写真へのアクセスなど)、ネットワーク情報、バグレポートやフィードバック/連絡フォームなどから提供される情報など多岐にわたる。これらの情報の一部はアプリを適切に機能させるために役立っているが、一部の保護者からはこれらのデータが実際にどのように使用されているのかについて懸念の声も上がっている。
このアプリでは一通りのペアレンタルコントロール機能が提供されており、親は自分の子供がいつ、どのくらいオンラインでチャットしているかを監視および制限できるようになっているが、Messenger Kidsのプライバシーポリシーは、収集されたデータがどのように「評価、トラブルシューティング、改善、作成、および当社の製品開発」に使われ、他のFacebookの会社と共有されているかについては、多くの余地が残されたままだ。
子供にFacebookの製品を使わせることのリスクと、強固なペアレンタルコントロールのもとでアプリが使えることの便利さを、親は慎重に天秤に掛ける必要がある。
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(翻訳:TechCrunch Japan)