FacebookとeBayが英国規制当局の圧力を受け「偽レビュー」の対策強化を誓約

FacebookとeBayは、両プラットフォームで行われている偽レビューによる売買の対応策を強化することを誓約した。これは英国の市場規制当局からの圧力を受けもので、問題の最新事例はFacebook傘下のInstagramで発覚した。

2019年6月、英国の競争・市場庁(CMA)は両社に対して、偽レビューの売買を防止するための努力を強めるよう警告し、「偽あるいは誤解を招くオンラインレビューの活発なマーケットプレイス」の存在を示す「憂慮すべき証拠」を発見したと語った。

当局の推定によると、英国人の4分の3以上がオンラインショッピングの際にレビューの影響を受けており、製品やサービスの評価記事を元に毎年数十億ポンドが費やされている。そしてそれが偽りや誤解を招くレビューの不法取引を助長する結果になっている。

CMAの警告が発行されてから数カ月後、英国の消費者権利団体「Which?」は、問題に関する独自の調査結果を公表し、Facebookが対策の強化を怠っていることを指摘した(eBayには進展があったことを認めた)。

米国時間1月7日、CMAは同団体の調査結果に基づいてFacebookが計188個のグループを削除し、24個のユーザーアカウントを無効にしたことを発表した。一方eBayは、介入後に140人のユーザーを恒久的に停止した。

当局によると、両社とも偽レビュー売買の「発見、調査、対応を改善する」ための基準を定め、将来にわたって該当コンテンツが現れないよう努力することを誓約した。Facebookはその種のコンテンツを発見、削除する「より堅牢なシステム」を導入することを約束し、eBayは既存のフィルターを改善し、オンラインレビューの取引に関する「リスティングの識別とブロックを強化」したと語った。

CMAの最高責任者であるAndrea Coscelli(アンドレア・コシェリ)氏は声明で、「FacebookとeBayが正しい判断を下してこの問題に取組み、偽レビューを販売する投稿をサイトから追放することを約束してくれたことを喜んでいる」と語った。

「偽レビューは買い物客や店舗をひどく傷つける。何百万という人々が購入意思決定をレビューに頼っており、もしそれが誤解を招くものであったり嘘であったりすれば、買い物客は自分にとって適切でないものを買う羽目になり、ルールを守っている店は商機を失うことになる。

CMAのプレスリリースには、両社が同意した改善点の詳細については書かれていなかったが、FacebookはTechCrunchに対して、不正なコンテンツを検知・削除するための自動化技術を開発予定だと語った。Facebook広報は次のように声明で語った。

不正な行為はFacebookでもInstagramでも許されていません。偽レビューの売買もその1つです。Facebookはこの種の行動を防ぐために多大な投資をしてきましたが、まだすべき努力があることを理解しており、CMAと協力して問題に取り組んでいます。CMAから最初に連絡を受けて以来、当社は規則に違反していた180以上のグループと24のアカウントを特定し削除したうえで、この手の不正行為が再発することを防ぐ確固たる手段を講じてきました。そのために、問題のコンテンツが人々の目に触れて通報する前に素早く検出、削除するための自動化技術の導入も検討しています。

eBayの広報担当者はTechCrunchに「eBayは虚偽や誤解を招くレビューを一切許さない方針を貫き、ユーザーポリシーに反する売り手に対して引き続き措置を講じていきます。今日のCMAレポートを当社は歓迎しており、この問題に対するeBayの取組みを認めてくれたことに感謝しています」と語る。

CMAは両プラットフォームが消費者のために「さらに努力する」と約束したことを認めているが、一方ではFacebook傘下のInstagramで偽レビューが取引されている新たな事例を見つけたことも報告しており、もぐらたたき状態が続きかねないことを示唆している。そして、各社が確固たる規則を定め、自分たちが広く配信し、収益化しているコンテンツに厳格に適用していかない限り、状況は変わらないだろう。

CMAは、ウェブサイトには自らのプラットフォームを経由して、違法あるいは有害なコンテンツが宣伝、販売されないことを請け合う責任があると指摘する。しかし、現状では偽りのレビューの売買を取り締まらなかったことに対する罰則はほとんどない。

最近英国政府は、オンラインのさまざまな危害を取り締まるための法律を提唱しており、インターネット企業を規制するセーフティー・ファースト計画を立案した。これは将来プラットフォームのコンテンツに対する取り締まりが厳重になることを意味している。しかし現時点で当局は、IT巨人たちの行動を正すために厳しい言葉をぶつけることしかできない。

CMAは、同局が見つけたInstagramで取引されていた偽レビューの事例はFacebookに報告し、「Facebookは問題を調査することを約束した」と語った。さらに「今後も問題を防止する措置をとるようFacebookから誓約を取り付ける」つもりであると付け加えた。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

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TechCrunch Japan

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