Facebookの監督委員会がトランプ氏のアカウント停止に対するパブリックコメントを募集

Facebook(フェイスブック)の「最高裁」は、最も古く、おそらく最も影響の大きい事例に対するコメントの受付を開始した。Facebook監督委員会は米国時間1月29日、FacebookによるDonald Trump(ドナルド・トランプ)前大統領の利用停止に関するパブリックコメントの募集を開始した

Mark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)氏はトランプ氏の利用停止を1月7日に発表している。当時の米国大統領が支持者を国の議会議事堂への暴動に参加するよう煽ったのを受けたもので、その事件は何人もの死者を出し平和的政権移行を妨げた。

監督委員会はフィードバックを求める投稿の中で、トランプ氏の利用停止に至った投稿2件を説明した。1つ目は議会議事堂暴動の日に大統領がシェアした動画で、その中でトランプ氏は暴徒に同情し、「選挙は我々から盗まれた」とする彼らの主張を正当化した。2つ目の投稿でトランプ氏は前言を繰り返し、「聖なる大勝利」が「ぞんざいな悪意に満ちたやり方で奪われた」と不当に嘆いて訴えた。

委員会によると、意見公募プロセスの目的は、自らの決定を伝える可能性のある調査結果を公表したい第三者による「多様な視点」を取り入れることであるが、結局は、主観的であまり役に立ちそうにない政治的見解が押し寄せてくる可能性が高い。ともあれ、意見公募は10日間実施され、コメントはそれぞれの事例の付録に加えられる。委員会はトランプ氏のFacebookにおける運命を1月21日から90日以内に決定することになっているが、それより早く結果が出ることもありうる。

監督委員会は具体的に以下の状況に関する意見を公募している。

Facebookによるトランプ大統領の関連アカウントを無期限に停止した決定は、表現の自由と人権を尊重する同社の義務に反していないか、代替措置を講じるべきではなかったか、今後これらのアカウントに対してどのような措置を講じるべきか。

Facebookは、同社のコミュニティ基準を適用する際、Facebook外の状況をどのように評価すべきか、特に当該コンテンツが暴力を誘発するかどうかをFacebookが決定しようとしているとき。

Facebookは政治家候補、公職保持者および元公職保持者の表現をどのように扱うべきか。彼らのさまざまな権力的地位、政治的反発の重要性、および大衆の知る権利を踏まえて。

Facebookのアカウントレベルの強制(アカウントまたはアカウント機能の無効化など)およびその強制措置に対する反論へのアクセスのしやすさ。

Facebookの政治指導者に対するコンテンツポリシーの世界的執行の一貫性に関する意見。コンテンツレベル(コンテンツの削除など)およびアカウントレベル(アカウント機能の無効化など)のいずれにについても。Facebookの「報道価値」例外およびFacebookの人権義務の妥当性に関する意見を含む。

監督委員会の投稿はトランプ氏の利用停止に関して極めて詳細であり、トランプ氏が同社のコミュニティ基準のどの部分に違反したのかをFacebookが正確に述べていないことについて具体性の欠如を批判している。本件と最近の5件を見ると、委員会は自らの役割を技術的なものと考えているようであり、それぞれの事例について、Facebookの既存規則に照らし合わせて将来のポリシーのための提案を行っており、自身の広範囲な提案からさかのぼることはしていない。

Facebookの監督委員会は、第一群の決定を先週発表し、不快を招く恐れがあるとFacebook自身が判断したコンテンツ削除の5件中4件を無効とした。これらの事例はいずれもトランプ氏の利用停止とは無関係だが、監督委員会が会社の考えに反対することを恐れていないことを証明した。少なくとも何が削除されるかについては。

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:Facebookドナルド・トランプ

画像クレジット:MANDEL NGAN / JOSH EDELSON/AFP / Getty Images(画像は加工済み)

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(文:Taylor Hatmaker、翻訳:Nob Takahashi / facebook

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