FacebookのiPhoneカルチャーが、HomeのAndroidへの過激な侵入を生んだ

Facebookは、Androidユーザーにとってウィジェットやドックやアプリフォルダーがいかに重要かを認識せず、それらをHomeに入れないという大きな過ちを犯した。その理由は、HomeをテストしたFacebook社員の一部がふだんはiPhoneを持ち歩いていたからであることを確認した。”droidfooding”[Anroidを無償配布してテストさせること]の不足によってFacebookはこれらの機能を追加しそこない、その結果Homeは提供以来1ヵ月でわずかに100万ダウンロードだ。

11月にも書いたように、Facebookはより多くの社員に “droidfooding”を行おうとしている。問題は、Facebookが何年も前から社員にiPhoneを渡してきたことだ。Facebook社員はAndroid端末をリクエストすることもできるが、言わなければAppleの電話機が渡されるのが普通だ。それはFacebookユーザーの間でiPhoneのシェアの方が大きかった1年前には危険ではなかったが、その後Anrdoidが爆発的に増えてリードを奪った。もしFacebookが最大のオーディエンスにリーチしたいのであれば、社員をGoogleモバイルOSと共に生活させる必要がある。

“droidfooder”の不足は、Facebookの新しい “apperating system” であるHomeが登場するまで深刻な問題ではなかった。HomeはAndroidのロック画面とホーム画面とアプリランチャーを、facebook中心の体験で置き換える。Homeは、端末のスリープを解除した直後に、ニュースフィードを閲覧するための大きくて美しい「カバーフィード」を表示する。そこには、リアルタイム情報のウィジェットを作ったり、よく使うアプリを常に見えているドックに置いたり、アプリをフォルダーにまとめたりする機能はない。

初めてHomeを使ってみた時、私はカバーフィードとチャットヘッドに感動したが、Androidのパーソナル化が失われたことには動揺しなかった。それは、私がiPhoneユーザーだからだ。

iPhoneにはそもそもウィジェットがないので、何が足りないかも実はわからなかった。私は “Facebook Phone” ことHTC Firstの新品貸し出し機でHomeを使った。自分のiOSドックやフォルダーをAndroidに移行できるなどとは期待しなかった。自分の体験がいく分「非パーソナル化」されることを受け容れた。私はうぶであった。

本当の問題は、Facebookの開発者たちも同じようにうぶだったことだ。私が話をした社員たちは、iPhoneユーザーにHomeをテストさせたために、Facebookは人々のウィジェットやドックやフォルダーを置き換えることがいかに問題であるかを見落したことを認めた。一般的なアプリと異なり、新しいAndroid端末を社員に渡してテストするだけでは不十分だ。必要なのは長期間の熱心なAndroidユーザーだった。Facebookは望むほど多くの人数を社内に持っていない。

先週木曜日(5/9)にFacebook本社で、技術担当VPのCory Ondrejkaと、製品ディレクターのAdam Mosseriは、これがHomeの致命的欠陥であることを認めた。それは人々がダウンロードしてアクティブにHomeを利用するのをためらう理由であり、Google PlayストアでHomeの評価が星1つや2つになることに繋がっている。こうしたレビューに加え、自分のパーソナライズしたAndroidランチャーを手放したくないという人々の思いが、Facebook Homeをランキングのはるか彼方と追いやっている。Sarah Perezが昨日詳しく報じたように、Homeがトップ100アプリから外れたことを複数の分析会社が伝えている。

「Homeにドックがないことは問題だというフィードバックを数多くもらっている」とOndrejkaは言った。そこでFacebookは、月例アップデートの最初の何回かは、Homeのステータスエディターを改善したり広告で収益化を始めるのではなく、考えを改めた。Homeを「ロック画面とホーム画面を置き換えるもの」であると売り込むのをやめ、代わりにFacebookはこれを、既存スマートフォンに被せた薄いレイヤーであると言ってトーンを下げた。

そのためにまず、ユーザーが他のアプリをアクセスする方法を正確に示した、もっと詳細な新規ユーザー体験を提供する。次に右の写真にあるような「ドック」を導入する。ユーザーは最近もっともよく使ったアプリ4本をここにインポートできる。Mosseriは私に、facebookはユーザーがAndroidをカスタマイズした作業をHomeのために犠牲にしてほしくないと考えていると言った。最終的にFacebookは、アプリをフォルダー化するシステムやHomeにフォルダーをインポートする機能や、ウィジェットを表示する方法などを追加するだろう。

「あなたの古いランチャーからあなたの新しいランチャーへの移行をスムーズにしたかった」と計画している変更についてMoserriは語った。Facebookは、Homeを公開する前にそれが最優先であることを知り得たはずだが、同社のiPhoneカルチャーは、そこで声を上げる者が誰もいないことを意味している。

Homeには大きな可能性がある。弱点を受け入れてHomeに落ち着いた人々は、Facebookで過ごす時間が25%増えている。しかし、ダウンロード数は100万以下で停滞しており、そのAndroidへの過激な浸入は人々を追いやり、アクティブユーザーはずっと少ないはずだ。

これ以上明白なことはない。もしFacebookが、1 Hacker Wayの本社ビルでもっと多くのポケットにAndroidを入れられなければ、これからもモバイルでつまづき続けることになる。

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(翻訳:Nob Takahashi)


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TechCrunch Japan

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