写真を撮ってくれた友達が後で渡すと言ったのに全然送ってこなくてイライラしたことはないだろうか? Facebookの最新コンパニオンアプリ Momentsは、友達のスマホに捕われているあなたの思い出を、顔認識で探し出してくれる。
Momentsはカメラロールを探して友達の顔が写っている写真を見つけ、ワッタップでその友達とプライベートに共有できる。共用アルバムや個人アルバムに追加することもできるので、パーティーや旅行の仲間同志でお互いの写真を共有できる。
Momentsは、FacebookおよびMessengerのコンパニオンアプリとして、今日米国でiOSとAndroid版が公開された。
もしこれが流行すれば、集合写真をみんなが自分のカメラで撮りたがることもなくなるかもしれない。しかし、その不完全な顔認識と馴じみのないシェアスタイルゆえに、MomentsはフェードアウトするかFacebookのメインアプリに吸収されることになるかもしれない。
下のビデオで私が操作するMomentsの短いデモを見ることができる。
人工知能に任せる
私は2014年9月に、開発中のMomentsを、超プライベートな写真共有方法として初めて紹介した。それまでFacebookのプライベートな共有方法は、友達リストを作って投稿したり、グループに参加する等、柔軟性に欠け面倒だった。Momentsは、友達に見せたいけれどもFacebookに載せるほどでもない写真等のコンテンツをもっと早く簡単に共有させようとしている。
通常、グループで出かけた時やパーティーの後、写真を送るには、全員のアドレスや電話番号を調べなくてはならない上、大きな写真で受信箱をパンクさせるか少しずつ送るかどちらかだった。Facebookでは友達リストを作ってシェアするか、全員をグループに入らせるか、イベントのウォールで友達以外にも見せるかしかなかった。これは案外面倒な作業であり、「同じ写真を撮る必要はない、ぼくのを送るから」と言って、めったに送らない理由だった。
顔認識技術はFacebookの人工知能ラボから来たもので、写真をアップロードした時にタグを推奨するのと同じアルゴリズムだ。
ちなみに、友達の写真に写っている自分の顔をロボットに認識されるのがいやな人は、Facebook設定の「他の人によって追加されたタグやタグの提案の管理」でオプトアウトできる。
モーメントの作り方
Momentは別アプリだがFacebookの友達リストに依存している。立ち上げるとカメラロールの中の顔を探し出していくつかのグループに分ける。次にそれぞれに写っている人が合っていれば右にスワイプして承認し、違っていれば左にスワイプして取り消す。そう、Tinderに似ている。
写真は同期した人たちの中でだけ共有され、誰かが再シェアしない限りFacebook自身には投稿されない。
Momentsで友達と同期すると、その人に通知が送られアプリをチェックするよう促されるので、写真を保存したりいいね!をつけたり、気に入ったものをFacebook等で共有できる。
Facebookは友達の写真を全部スキャンするが、誰かと同期しない限りサーバーには保存しない。なぜ写真を集めて顔認識の改善に使わないかと尋ねたところ、担当者は笑いながら「写真は山ほどあるから」と言った。実際、何兆枚だ。
Momentsアプリを持っていない人と同期すると、Facebook Messengerに通知が送られ、スタイリッシュな動くプレビューがゆっくり表示される。Momentsのユーザーはゼロから始まるが、Messengerとのつながりを成長に利用できるだ溺う
記憶の彼方
Momentsはできる限りの協力を得る必要がある。FacebookのCreative Labsイニシャティブは、新たなモバイルツールやインターフェースの実験で、あまり香しい成果をあげていない。
SnapchatクローンのSlingshotは立ち上がることがなかった。ForumsアプリのRoomsと協働作業ビデオメーカーのRiffは、いずれも公開数日後に世間から消えた。FacebookのVIP向けアプリMentionsを著名人が賞賛するのを私は見たことがない。簡単スタンドアロンアプリ、Facebook Groupsが有効だったのは数億人がすでにあの製品を使っていたためだ。Andoidのみのソーシヤル発信者番号アプリ、Helloを評価するのはまだ早すぎるだろう。
Facebookは、Creative Labsプロジェクトで人々が何を使い何を使わないかを学び、その洞察を別のところで使うことがよくある。
最も成功したのがニュースリーダーのPaperだった。比較的少数ながら熱心な支持者を得た同アプリは、Facebookが提供するInstant Articleの派手なデザインの基盤となったことで知られている。Slingshotは、Android版Facebookに写真に絵を描く方法を教えた。遡ってFacebookは、写真の複数アップロードとフィルターを短命だったFacebook Cameraから学び、MessengerスタンプをFacebookのコメントスレッドに持ち込んだ。
全体的に見て、Momontsの効用は明白だ。友達に自分の写っている写真を送るよう催促できる。しかし、実際には取っつきにくく不正確だ。
Momentsは何度もタグ付けを誤り、同じ民族だというだけで友達同志を取り違えたり、関係ない写真をグループ化したりした。左スワイプは、写真が削除されるわけでなくても気が引ける。右スワイプは、同期した人が誰でも好きな場所でその写真をシェアできることを意味する。そして山ほどある写真を同期するかどうかは、一瞬で決めるには難しい選択だ。
これをFacebookのメインアプリに組み込むこともあまり良い方法とは思えない。なぜなら、少人数でプライベートに同期しているのか、全員に向けて投稿しているのか、混乱するからだ。そして、殆どの人が友達の写真をしょっしゅう大量に撮るわけではないことを踏まえると、Momentsがユーザーの貴重な画面を占められる保証はないかもしれない。
Momentsは、あのGoogleの驚異的な新Google Photosアプリのような無限ストレージを提供する写真アプリではない。あれは万人向けのものだ。MomentsはFacebook社員のために作られたアプリのように私には思える ― ソーシャルでスマートフォン中毒で都市部に濃密なソーシャルグラフを持つ二十代の人たちだ。一般の人々は、昔ながらの方法で自分たちのモーメントを分かち合うのがよさそうだ。
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(翻訳:Nob Takahashi / facebook)