FB MessengerをFacebook外の顧客でも利用できるビジネス向けプラグインをリリース

Facebook(フェイスブック)は、そのMessenger(メッセンジャー)サービスを、各企業が自社のウェブサイト上で簡単に活用できるようにし続けている。同社はまず2017年11月に、顧客がメッセンジャーサービスを使用して企業のウェブサイト上で、相手企業と直接会話できるようにする、新しい顧客チャットプラグインをリリース(未訳記事)した。ただしそのプラグインは、ウェブサイトの訪問者がFacebookにログインする必要があるなどの制限があった。米国時間8月4日、それが変わるをFacebookは宣言した(Facebookサイト)こと。

以前のバージョンのプラグインは、堅牢なライブチャットサービスを提供できない中小企業でも使えるものだったが、顧客の対話機能も制限されていた。Facebookを使っていない顧客は、そもそもログインできないし、たとえ持っていたとしても、例えば自分のものではないデバイスからウェブサイトをアクセスした場合には、企業とチャットできない可能性もあった。

また自分の問い合わせを単純に匿名で行いたかった顧客もいただろう。たとえ実際には企業側にはその気はなかったとしても、のちのちMessengerでフォローが来て鬱陶しくなるのが嫌だという心理が働くからだ。

Facebookによれば、アップデートされたプラグインにより、顧客はログインしないまま企業と話すことができるようになる。ログインする代わりに「ゲストとして続行」(Continue as Guest)オプションを使用できるようになる。とはいえ企業側では、オンライン顧客がログインしているかどうかにかかわらず、変わらずこれまでと同じツールを使って会話を管理することができる。

Facebookは、ログインすることを要件にしていたことが、製品の採用を見送らせていた可能性があることを示唆している。たとえば、顧客用のWebサイトを作成する開発者たちは、Facebookにログインしていないユーザーに対して、何らかの代替手段を提供する必要があるため、そのプラグインが必ずしも簡単に採用されるということはなかったと口にする。

「開発者としては、すべての顧客が利用できるライブチャットサービスを使用するように企業を説得する方が、はるかに簡単です」と語るのは、Recart(リカート)の創業者である Soma Toth(ソーマ・トス)氏だ。「当社のお客様は、メッセンジャーでのエンゲージメントに直接結びついた売上を見ています。そしてこのチャットプラグインは、追加費用なしでFacebookページとウェブサイトの双方で同じ投資を活用するのに役立ちます。また、Facebookにログインしていないユーザーに対して、別ルートを用意しなければならない手間が軽減されます」。

今回のアップデートでは、プラグインのルック&フィールが一新され、Facebookはテスト中に企業と顧客のチャットが45%増加したと主張している。

ただし、この増加には、ただプラグインが優れていたというだけでなく、コロナウイルスのパンデミックによってオンラインショッピングの顧客が急増したことにも原因の一端を求めることができるだろう。

Facebookのプラグインは、大規模なソーシャルネットワークに結びついているという利点がある、そこでは多くの企業が自社のFacebookページを使って顧客にリーチしている。しかしそれでもHubSpot、Intercom、Live Chat、Zendesk、Zoho、その他多数(HubSpot記事)の、大小多くのチャットアプリたちと競合している状況だ。これらの競合するソリューションたちは、CRM、アナリティック、ヘルプデスクソフトウェア、リードジェネレーションとセールスのためのツールなど、企業が使用する必要がある他のサービスとのより深い統合を提供することが多い。

Facebookによれば、現在企業はこのプラグインを自分でインストール(Facebookサイト) するか、WooCommerce、ManyChat、Haravanなどのパートナーと協力してインストールするかを選択することができる。
画像クレジット: Blendjet

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(翻訳:sako)