GitHub、シリーズBで2.5億ドルを調達。これからはリスクも冒す

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ソフトウェア開発の協同作業とバージョン管理サービスをオープンソースのGitツールで提供するGitHubが、Sequioa Captalのリードで2.5億ドルの資金を調達したと今日(米国時間7/29)発表した。Andreessen Horowitz、Thirive CapitalおよびInstitutional Venture Partnersも本ラウンドに参加した。

同社は2008年に設立され、これまでに計3.5億ドルを外部資金から調達した。会社は評価額について語っていないが、WSJの記事によると、現在20億ドル前後をさまよっているという。GitHubの2012年のシリーズAラウンドは、Andreessen Horowitzがリードした。当時同社の評価額は7.5億ドル前後だったとみられている。

GitHubのCEO・共同ファウンダー、Chris Wanstrathが新ラウンド発表の直後、同社はこの新規ラウンドを利用して成長を加速し、(殆どの会社がそうするように)営業および技術チームを拡大するつもりだと私に話した。「ラウンドは加速のためではなく、われわれが大きく考え、大きなリスクを負えるようになるため」とWanstrathは言った。

Chris Wanstrath

Chris Wanstrath

これはGitHubの買収が近いらしいことを意味しているが、彼は海外戦略を推進したいとも話した。最近同社は日本にオフィスを設立し(最初の会合も開いた)、他の地域でも進めていくに違いない。

「われわれにとって、GitHubはまさしくデベロッパーがすべて ― 本質は人だ」とWanstrathは言った。「これまでやろうとしてきたのは、コミュニティーを支える人々をもっと多く集めることだ」。

既にGitHubユーザーの約70%は米国外から来ているので、ユーザーのいる所に会社が出ていくのは自然の成り行きだ。

GitHubの企業向けサービスも、2011年に立ち上げて以来極めて順調に伸びており、これは多くの大企業が古いソフトウェア開発手順を改め、Gitのようなツールで改革しようとしていることも一因だ。同社は企業数については明らかにしていないが、Wanstrathは私に「驚くほど順調」であり、このところ「絶好調の四半期」が続いていると話した。

Gitが、多くのスタートアップでバージョン管理システムの事実上の標準となっており、現在GitHubが〈サービスとしてのGit〉を提供する各社をリードしていることは間違いない。Atlassian、Microsoft、GitLab等もクラウドあるいは社内用に同様のサービスを提供しているが、GitHubがここ数年多くの人々の心を把んでいることは明らかだ。

GitHubは、現在約1000万人のユーザーが2500万以上のプロジェクトで(2014年1月には1000万だった)協同作業を行っていると言っている。同社が無料アカウントを配布していることを踏まえると、それらユーザーの何人がこのサービスに料金(5ドル/月から)を払っているかはわからない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

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TechCrunch Japan

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