コード管理ツールGitHubのオンプレミスバージョンGitHub Enterpriseが今日(米国時間2/9)、大型アップデートを行う。最近はしかし、このプロダクトの重要性をめぐって、GitHub内で経営陣のごたごたがあったばかりだ。
アップデートされたGitHub Enterprise 2.5の最大の目玉は、クラスタのサポートだ。企業はGitHub Enterpriseのサーバー群をクラスタとしてセットアップでき、それが単一のインストールのように動く。それにより、従来より相当大きなチームでもサポートできる。
GitHubのプロダクト担当VP Kakul Srivastavaはこう述べる: “GitHub Enterprise 2.5は、チームが大きくなって人数が増えても利用できる。顧客の中には、何万人ものデベロッパーを抱えてその全員が協働しなければならない企業もある。だからスケーラビリティの提供が、きわめて重要だ”。
さらに彼女は、GitHubのクラスタリング機能はエンタープライズのユーザーに新たなコストを発生させない、とも言った。
このニューバージョンでは、ログイン画面からGitHubリポジトリのルック&フィールに至るまで、インタフェイスが全面的に改良され、デザインも新しくなった。エンタープライズバージョンが通常のクラウドバージョンと肩を並べた、と言えそうだ。
また、gitをバージョン管理システムとして使わない場合の、サブバージョンのサポートも改良された。そして、保護ブランチを保護するためのAPIが提供された(そのブランチは削除もコードの強制プッシュもできない)。ただしこのAPIは、まだプレビューである。
Srivastavaにどうしても聞きたかったのは、最近のエンタープライズ顧客への注力によって社内がギクシャクしているという噂と、従来からのクラウドプラットホーム上のユーザーとの関係だ。
Srivastavaが書いてくれた返事では、GitHubは今、“新しい種類のエンタープライズ企業を作りつつあると思う。社内的にもまた顧客にとっても、それは、オープンソースかエンタープライズかという問題ではない。むしろ、オープンソースもエンタープライズも、だ。GitHubは、デベロッパーがコードを書くとき、どんなときでもお役に立ちたい。それは、個人的なプロジェクトでもよいし、オープンソースのコミュニティでもよい、そしてまた、銀行やリテイルや製造業など、大規模で本格的なエンタープライズの開発でもよい”。
全然、企業文化の変化に関するぼくの関心には答えていないが、でも企業としてのGitHubの将来が、コード管理ソフトウェアとしての、エンタープライズ顧客による採用の増加にかかっていることは、確実だ。