General Motors(ゼネラル・モーターズ)が米国時間8月4日に発表した決算で、電気自動車Chevrolet Boltの2017年から2019年にかけての2回のリコール費用が8億ドル(約875億円)だったことが明らかになった。Boltバッテリーの欠陥修理のコストは同社の第2四半期の保証費用13億ドル(約1420億円)の大半を占めた。
CEOのMary Barra(メアリー・バーラ)氏は業績発表の中で、リコールは同社が韓国のLG Energy Solutionsとの合弁で開発中のバッテリーセルテクノロジーであるUltiumプラットフォームには影響しない、と明言した。「(Ultiumは)異なるバッテリーシステムであり、Ultiumセルを製造する合弁会社プラントは厳格な品質プロセスに従っています」と述べた。
GMは7月に、発火リスクを解決するために欠陥のあるバッテリーモジュールを交換する計画だと顧客に伝え、Boltの2回目となるリコールを発表した。GMは顧客にバッテリー交換の準備が整ったことを知らされるまで、毎使用後にクルマを充電し、バッテリーレベルを走行可能距離70マイル(約112km)以下にしないようアドバイスしている。
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GMの第2四半期の売上高は342億ドル(約3兆7450億円)で、第1四半期より17億ドル(約1860億円)増え、前年同期からは174億ドル(約1兆9050億円)増となった。また、最終損益は28億4000万ドル(約3110億円)の黒字だった。前年同期は主にパンデミックとそれにともなう経済低迷のために7億5800万ドル(約830億円)の赤字だった。41億ドル(約4490億円)という調整後総収入にはリコール費用も含まれている。
収入は中古車価格、トラックやSUVの販売、そしてGM Financialの好調な業績によって増えた。GMの貸付部門の総売上高は34億ドル(約3720億円)、調整後収入は15億8000万ドル(約1730億円)だった。
「GM Financialの売上高は、中古車の価格により引き続き過去最高となりました」と同社CFOのPaul Jacobson(ポール・ジェイコブソン)氏は会見で述べた。
同社は2021年後半の見通しについても強気だ。調整後の通年収益予想を115億ドル〜135億ドル(約1兆2590億〜1兆4780億円)に、1株あたり収益を5.40〜6.40ドル(約590〜700円)に上方修正した。これまでは通年収益100億〜110億ドル(約1兆950億〜1兆2040億円)、1株あたり収益4.5〜5.25ドル(約490〜570円)を予想していた。
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カテゴリー:モビリティ
タグ:GM、決算発表、リコール
画像クレジット:Photo by Jeffrey Sauger for Chevrolet
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(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Nariko Mizoguchi)