Googleがタブ方式のUIをGmailに導入して数週間後、プロモーション・タブに広告が表示され始めた。
TechCrunchのライターの一人がプロモーション・タブの広告に最初に気づいてスクリーンショットを撮ったのは5月31日だった。非公式のGoogleウォッチング・ブログ、Google Operating Systemが これについて書いたのは6月に入ってからだった。ただしそれよりずっと早くベータテスト中にこの新方式が報告されている。
GmailのUIは現在、4つないし5つのセクションに分けられている。メインは重要メッセージ、ソーシャルはソーシャル・ネットワークからのアップデート、プロモーションはプロモーション・メッセージ、新着は注文の確認や請求書など自動的に送信されるメッセージだ。またGoogleグループに参加している場合、フォーラムにグループからのメッセージが表示される。今回の新しい広告はプロモーションのセクションのトップに表示される。
この表示場所は理にかなっている。プロモーション・タブにはユーザーが受取を承認した店舗やサービスからのプロモーション・メッセージが表示されるわけで、このタブを開いて確認するユーザーはショッピングに関心をもっている可能性が高いわけだ。4億2500万人といわれるGmailの巨大なユーザーベースの威力が存分に発揮される場面だ。
この広告は件名にはっきりと「広告」と表示されているし、メッセージの背景色も違う。しかしメールと同様、星印をつけたり友だちと共有したりできる。見た目がメールのようなので、スパム・メールだと勘違いするそそっかしいユーザーもあるらしい。念のためはっきりさせておくが、これはメールではない。Googleがユーザーのメールアドレスを広告主に売り渡して広告主がメールを送ってきたわけではないのだ(そういう誤解が出ている)。
しかし通常のメールと紛らわしいフォーマットであるため当初の反応は好意的でないものが多かった。VentureBeatなどはスパムっぽいと書いている。”しかしGoogleはもちろんはるか昔からGmailに広告を掲載している。広告の掲載は新しい試みというわけではまったくない。
Googleはこのプロモーション広告は従来のウェブ・クリップ広告を置き換えると同時に、必要なとき(つまりユーザーがタブを開いたとき)にのみ表示されるというユーザー体験の改善を狙ったものだとしている。
ユーザーの好き嫌いはともあれ、この新方式の広告はすぐになくなることはなさそうだ。Gmailビジネスの「顧客」はもちろん広告主である。このスポンサード・プロモーション(というのが公式名称)は広告主にとってなかなか魅力的だ。広告主はユーザーごとの最初クリック(表示)だけに料金を支払えばよい。しかしMarketingLandが説明しているとおり、ユーザーはこのメッセージに普通のメールのようにスターを付けて後で参照したり、友だちに転送したり、広告主に問い合わせをしたりできる。またリンクを埋め込んでおいて自社サイトのランディング・ページに誘導したり、ビデオを見せたりできる。
Googleはこの広告を一般公開しておらず、一部の広告主でテスト中であるようだ。まだこの広告の効果についての情報はないが、従来のGoogleウェブクリップ広告よりはるかに有効ではないかと思う。
(画像: Frederic Lardinois, MarketingLand)
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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+)