Googleが野心的な写真共有サービス、Googleフォトを5月にスタートさせたことにともない、既存の写真アプリ、PicasaデスクトップのユーザーはGoogleフォト・バックアップへの「アップグレード」を勧められた。これはPicasaユーザーを最終的にGoogleフォトに移行させる準備の一環かもしれない。
しかしGoogleフォトのデスクトップ・クライアントは単なるアップローダーに過ぎず、Picasaのデスクトップ・アプリの代わりにはならない。Picasaアプリは写真の編集、アルバムへの整理、タグ付け、検索、顔認識など多様な機能がある。
Noticed yesterday that a Google Photos Backup tool was suddenly installed after running Picasa on my machine.
— n3wjack (@n3wjack) July 22, 2015
Picasa just got an update for uploading to @googlephotos. #FYI
— Dimitris Tzouris (@DimitrisTzouris) July 23, 2015
一部のPicasaユーザーは最近、Picasaアプリをアップデートした後でGoogleフォトへのバックアップがインストールされていることに気づいている。このアップデート (Picasa 3.9.140)のGoogleのリリース・ノートによれば、 Googleフォトのリリース関連の機能が含まれているという。
このPicasaアップデートをインストールすると、次回Picasaを起動したときにGoogleフォトによるバックアップを実行するよう勧められる。 さいわいなことに、これは強制ではなく、Picasaファンは“No Thanks”をクリックして無視することができる。この場合、Picasaの使用にはまったく変化はない。
「Googleフォト・バックアップを入手する」をクリックした場合は、Googleフォト・アプリのダウンロード・ページに誘導される。このアプリを使うとパソコンやカメラのSDカードに記録された写真をオンラインのGoogleフォトに簡単にアップロードできる。
現在のところ、GoogleフォトがPicasaを実際に置き換えようとしている兆候はない。しかしGoogleは最終的にはPicasaを終了させたいはずだ。Picasaは歴史も古く、熱心なファンの数も多い。ただし自動モンタージュ作成のようなGoogleフォトの新機能は持っていない。
Googleは写真関連のサービスをGoogleフォトに統合しようと努めているが、Googleフォトのローンチ後、数ヶ月の間Google+からの写真アップロードと共有も健在だった。 先週末になってやっとGoogle+フォトの終了が発表された。
だがGoogleはGoogle+やGoogleフォトのような新サービスが登場してもPicasaを維持しつづけた。Googleは最近もGoogle+のシャットダウン後もPicasaウェブアルバムをGoogleハングアウトでサポートすると通達してる。
はっきり言ってGoogleの写真サービスはわかりにくい。
もちろんPicasaは一般ユーザーに広く普及したブランド名だし、優れたところが多々あるサービスだ。GoogleがPicasaユーザーをGoogleフォトに強制的に移そうとするのをためらうのは理由がある。
しかしGoogleフォトという写真関連のフラグシップ・サービスがスタートした後で、かなりの部分が重複する古いサービスを維持、運営するのは資源の無駄だろう。Picasaユーザーからの反発はあるだろうが、ある時点でGoogleは覚悟を決めてPicasaを終了させる他なさそうだ。Googleは愛好者が残っているサービスでも閉鎖をためらわなかったことでもある。
アップデート:Googleの広報担当者はわれわれに対して「この措置はPicasaユーザーにすべての写真をGoogleフォトでバックアップできることを知らせるためのものです。Picasaは今後ともGoogleの写真サービスの一環として運営が続けられます」とコメントした。
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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+)