GoogleがWorkspaceの新機能を発表、現場で働く従業員向けのWorkspace Frontlineも追加

Google(グーグル)は、かつて「G Suite(ジースイート)」と呼ばれていた(今後もそう呼ぶ人が多いかもしれない)法人向け生産性プラットフォーム「Google Workspace(グーグルワークスペース)」の大規模なアップデートを、米国時間3月1日に発表した。GoogleカレンダーからGoogle Meet(グーグルミート)まで、さまざまな新機能が導入された他、GoogleアシスタントをWorkspaceと組み合わせて使うことが可能になった。

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確かに、Googleアシスタントで仕事のカレンダーを確認したり、同僚にメッセージを送ったりできるようになったことは注目に値するだろう。今までこの機能はベータ版として導入されていたが、正式採用となった後も、会社の管理者が「検索とアシスタント」サービスを有効にする必要がある。また、導入はゆっくりとしたペースで進み、モバイルでは一般に利用可能となったものの、スマートスピーカーやGoogle Nest Hub(グーグルネストハブ)のようなスマートディスプレイでは未だベータ版となっている。それでも、Googleがこれらの機能をずっと前に約束していたことを思えば、待望の採用といえるだろう。

日々の仕事に直接影響を与える他の新機能としては、オフィス不在の繰り返しイベントを作成することや、勤務時間をいくつかのセグメントに分割することが可能になった。また、仕事中に気が散るのを最小限に抑えるための新しいイベントタイプ「Focus Time(フォーカスタイム)」も追加された。Focus Timeはカレンダー上で3時間ブロックする機能よりも少し賢く、設定した時間帯には通知を制限することができる。

Googleはまた、会議にどれだけの時間を費やしているか(無駄にしているか)を教えてくれる新しい分析機能も導入した。会議に費やした時間を表示するだけなので、Microsoft(マイクロソフト)の生産性スコアほど充実した(時には不気味さを感じるほどの)機能ではないが、1日どのように過ごしたかを俯瞰して見るには最適な機能だ(すでに自分でわかっているとは思うけれど)。このデータは上司と共有されることはない。

オフィス以外の場所で仕事をすることがあらかじめ決まっている場合のために、GoogleはWorkspaceに位置情報を追加した。いつ、どこで仕事をする予定か、あるいはいつから自宅で仕事をするのか、といった情報を同僚と共有できる。

当分の間は、リモートで会議が行われることも多いだろう。新たに追加される新機能では、自宅でスマートディスプレイのGoogle Nest Hub Max(グーグルネストハブマックス)を使って会議に参加しながら、ノートPCをセカンドスクリーンとして設定することが可能だ。

さらに重要なのは、モバイルで会議に参加する際にピクチャ・イン・ピクチャ・モードが利用できるようになることだろう。これによってスマートフォンでGoogle Meetの会議に参加しながら、同時にウェブやGmailを閲覧したり、ブレインストーミングセッション中に重要な作業を行ったりできるようになる。

今後はモバイルでも背景を変更する機能がサポートされる予定だが、今のところ背景をぼかすことしかできない。また、同様にQ&Aや投票機能もモバイル版に追加される予定だ。

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Googleは最前線の現場で働く従業員のために、このグループのユーザー向け新機能を備えた「Google Workspace Frontline」を追加することも発表した。これを使えば、GoogleスプレッドシートやGoogleドライブから、より簡単にカスタムAppSheetアプリを作成することもでき「現場でのデータ収集、安全リスクの報告、顧客要求の管理など、現場における作業をデジタル化して効率化することができます」と、Googleは述べている。

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カテゴリー:ソフトウェア
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(文:Frederic Lardinois、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

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TechCrunch Japan

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