Googleが自分の個人情報を知りすぎているのではないかと心配になることはないだろうか。ここ数年で、検索からメール、仕事効率化アプリやYouTubeといったGoogleのサービスを使い始め、Googleがあなたの人生に雪崩れ込んでいると感じてはいないだろうか。Googleはそのような懸念を払拭するために「Google About me」という新しいオンラインツールをローンチした。これにより、ユーザーはGoogleのサービスを利用する他のユーザー(つまり、全世界)が閲覧できる情報を変更することができる。例えば、誕生日や電話番号といった情報だ。
このサイトは今週、展開が始まったばかりだが、Googleは正式な発表をしていなかった。最初に見つけたのは、非公式にGoogleの動向を見ているブログサイトのGoogle Operating Systemだった。彼らは、Google+の代わりとなるサイトのようだと伝えた。
しかし、GoogleによるとこれはGoogle+のプロフィールページの代わりではないという。About meページに加えた変更、あるいはMy Accountのページに加えた変更は、Google+のプロフィールページにも反映され、Google+の変更もAbout meに反映するそうだ。
About meのページが明確に示していることは、Googleがユーザーの個人情報を大量に持っているということだろう。
2012年の前半、Googleが無数にあったプライバシーポリシーを一つの包括的なポリシーにまとめたおかげで、Googleの一連のサービスに点在していたユーザーデータを一つにまとめることができるようになった。これはつまり、YouTubeのユーザー情報、Gmail、Google Driveといったサービスのユーザー情報を集約できるということだ。これにより、Googleはよりユーザー個人に合わせたウェブの体験を提供できるようになる。もちろん、それには広告やターゲティングも含まれている。しかし、多くの人は散在している情報を一つにまとまることに懐疑的だ。
GoogleのAbout meのページは、Googleが個人情報という財宝を手にしているという事実を覆すものではないが、ユーザーは共有する情報をいくらかコントロールすることができるようになる。
GoogleはGoogleアカウントに追加、あるいは削除する情報は他の多様なオンラインサービスに影響を与えるとしている。例えば、ハングアウト、Gmail、Inboxなどのアプリ、Play、YouTube、Photos、Drive、そしてGoogle+のプロフィールなどだ。
About meのサイトでは、ユーザーは勤務先、電話番号、メールアドレス、連絡先、訪れた場所、学歴などを表示したり、隠したりすることができる。(そもそもこのような情報をGoogleが収集していたことに驚くのだが。)
ただしGoogleのサービスで他のユーザーと接した際、彼らはユーザーの名前、あだ名、写真、カバー写真、メールアドレスを閲覧することができる場合もあるとGoogleは伝えている。
メールアドレスを公開したくないと思うのなら、Googleのサービスを利用する時には注意を払った方が良いだろう。Googleのプロダクトを利用する他のユーザーは、他のユーザーの名前と写真を閲覧することができ、そのユーザーと連絡を取ったり、コンテンツを共有したりした場合は、メールアドレスも閲覧できるようになるとGoogleは説明している。その曖昧な表現には解釈の余地がある。メールアドレスの設定を「プライベート」に変更できるボタンがあることから、この表現はエンドユーザーを困惑させるかもしれない。メールアドレスは状況によっては共有されることもあるということなのだから。
現在、About meのページに変更を加えようとするとエラーが発生する場合もあるそうだ。まだ準備が正式に整う前に見つかってしまったからだろう。
このサイトはユーザーが自分で個人情報をコントロールするためのオンラインツールとして銘打っているが、Googleにはもう一つ意図があるようだ。このサイトは、Googleが個人について収集した情報をまとめて提示している。これはGoogle+のプロフィールの当初の目的だった。しかし、Google+はソーシャル・ネットワークとして確立することに失敗した。Google+のアカウントをGoogleアカウントから切り離すことを最終的に判断し、Googleプロダクトを使用する際に求めていたソーシャル連携も切り離した。
しかし、間違えてはいけない。Google+がGoogleの思惑通りに機能しなくても、Googleが個人の情報を収集して、それを一つのオンラインプロフィールに集約できないということではない。About meによって、ユーザーはそこに含まれている情報を簡単に確認し、コントロールを取り戻すために多少抵抗することができるだろう。
追記:GoogleはGoogle About meについて下記の説明を公表した。
「About meに掲載される情報は、ユーザー自身がGoogleに直接提供した情報です。ユーザはここに掲載する情報を管理することができ、About meページから、Googleのサービスで他のユーザーが閲覧できる情報も管理できます」。
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