[筆者: Mark Lelinwalla]
Googleの自己運転車プロジェクトが、同社の独立した事業になりつつある。Recodeの記事によると、その自律運転企業はGoogleではなくAlphabetの直傘下となり、The Climate Corporationの最高法務責任者(chief legal officer, CLO) Kevin Vosenを同社の初の法務部長として迎えた。予定では彼は今月晩終わりごろに着任する。
現在Googleの自己運転部門は同社の実験的なラボ、Xの下にあり、しかしVosenが来たことによって企業としての独立に一歩近づいたようだ。しかも、そのタイミングが興味深い。今は自動運転車ではライバルのTeslaが、5月7日の、Model Sの自動操縦モードにおける死亡事故に関して、国の調査を受けている最中なのだ。
Googleにかぎらず、自律運転技術を開発している企業は必ず、国や州の法律の問題をクリアしなければならないから、法務の経験豊富なVosenを招いたのもそのためだろう。VosenはThe Climate Corporationでコンプライアンスと対政府関係(Government Relations)を担当した。ClimateのCEOで協同ファウンダーのDavid Friedbergは前にGoogleで、企業開発と製品管理を担当した。Googleとのご縁が深い。しかもFriedbergが会長を務めているMetromileは、走行距離に応じて保険料を払う自動車保険の会社だから、それは表面的なご縁ではなさそうだ。
Googleの自律部門が弁護士を雇ったというこのニュースの前には、Google XによるTim Papandreouのスカウトがあった。Papandreouはサンフランシスコ市交通局のイノベーション部門にいた人物だから、Googleの自己運転開発チームを、より一層、堅牢にしてくれるだろう。