上院の通商科学運輸委員会に宛てた書簡で、元Googleの研究員Jack Poulsonが、8月の終わりに同社を辞めた理由を詳しく述べている。今週初めに送られたその小文は、Project Dragonfly(蜻蛉プロジェクト)に対する、増大する懸念を詳述している。それは、中国市場に有意に参入しようとするGoogleの試みだ。
書簡は上院が、データに関する懸念に関してGoogleの新任プライバシー最高責任者(chief privacy officer) Keith Enrightを喚問しようとしていたときに届いた。Dragonflyも、委員会の議題に上(のぼ)る予定だったと思われる。そのプロジェクトは“喫緊の道徳的倫理的問題を喚起する”、と書かれた先月の別の書簡には、1400名近くのGoogle社員が署名していた。
Poulsonは自分の書簡に、“注目すべきは、Project Dragonflyが、同社のAI Principles(AI原則)がリリースされた同時期に進められていたことだ”、と書いている。Poulsonによると、“人権団体や調査報道記者、Googleの社員、そして多くの国民の理解によれば、Project DragonflyはAI Principlesの、‘その目的が広く受け入れられている人権の原則に背反している、技術の設計や展開には手を染めない’とする原則に、真っ向から違反している”、という。
Poulsonは、社内で特に問題になった4点を挙げている。そのリストには、検索のクエリに(質問者の)電話番号を伴わせることや、中国政府と共同開発した“人権”、“学生の抗議”、“ノーベル賞”などの検索ワードのブラックリスト、などがある。Poulsonは、大気の質に関するデータの政府によるコントロール、そして“内部的なプライバシーレビュープロセスの壊滅的不履行”、なども挙げている。
最近の新聞報道によれば、GoogleのCEO Sundar Pichaiは、Googleの中国進出計画や、検索の偏りをめぐって、共和党議員への説明を求められている。
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