Googleダンボール製VRヘッドセット開発の背景、そして今後の可能性?!

話題を引きずり過ぎかもしれない。しかし今年のGoogle I/Oにて、何に一番驚いたかといえばダンボール製VRヘッドセット(Cardboard)だったのではないかと思うのだ。ペーパークラフトの中にスマートフォンを装着して、VRビューワーとして利用するものだ。キーノート公演で紹介されたものだが、その開発者であるDavid Cozが開発の背景についても教えてくれた。

このCardboardが開発された理由については、Oculus Riftの買収額があまりに高額であったことを揶揄するためであったとか、あるいはGoogleで買収できなかったことを悔しく感じたためだなどという話もある。しかしパリのGoogle Cultural Instituteで仕事をするCozによると、これは「作ってみたかったから」だとのことだ。

「VRが大好きなのです」とも発言している。VRはここ数年で進化して、一層面白いものになってきていると感じているのだそうだ。Cardboardを作ることで、「簡単かつ安価」であっても、面白いVRビューワーが作れることを示したかったのだとのこと。

プロジェクトを開始したのは6ヵ月ほど前のことだ。CozはこれをマウンテンビューでGoogle Research Scientistとして働いているChristian Plagemannに見せた。Plagemannは、自らも例の20%プロジェクトとして取り組むことを決め、そしてGoogle社もプロジェクト化を認めたのだそうだ。

ところで、ダンボールを使うことに何か理由はあるのだろうか。Coz曰く、プロトタイプを考えていく際に簡単に扱えるからというのがひとつの理由だったそうだ。それに加えて「ダンボール製」ということで「シンプルさ」を表現したいという気持ちもあるのだとのこと。情報処理は内部におさめるスマートフォンが担う。「ハサミとホッチキスで簡単に改造できるようにしたかったのです」という意味もあるのだそうだ。

Googleは開発者用のツールキットも公開しており、すなわちこのハードウェア(ペーパーウェア?)は、単に「シンプル」なだけではなく、「オープンソース」のプロダクトとして提示されてもいることになる。サードパーティーからも、Cardboard用アプリケーションがいろいろと出てくるという事態もあり得るのかもしれない。開発チームは、Project Tangoと連携していく可能性もあると示唆していた。

もちろん他にもスマートフォンを利用したVR技術を世に出そうとする企業やグループは存在する。しかし、Googleが本気で開発者を巻き込もうとするのなら、Cardboardを主役としたエコシステムが登場してくる可能性もある。

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(翻訳:Maeda, H


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TechCrunch Japan

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