Googleトラベルでホテル予約リンクが無料掲載可能に、アフターコロナでの成長を見込んで

Google(グーグル)は2020年、それまで有料広告の商品で占められていたGoogleショッピングタブの仕様を大幅に変更し、オンライン小売事業者が無料でそれを利用して商品を販売できるようにした。また、Googleフライトに参加しているパートナー企業に課していた料金も無料化した。同社は米国時間3月9日、Googleトラベルに掲載されるホテル予約リンクでも同じようにすると発表した。

今週から、世界中のホテルや旅行会社が無料でGoogleトラベルにホテル予約リンクを掲載できるようになった。これによってユーザーは、旅行の計画を立てたり下調べしたりする際に、ホテルをより包括的に探せるようになる。

新型コロナウイルス感染が収束し、旅行者の数が戻ることを見越して、Googleはこの変更をより消費者のニーズに応えるためと位置づけている。

「旅行が本格的に再開されたら、人々が探している情報を見つけて、オンラインで旅行会社と簡単につながるようにすることが重要になります」と、Googleトラベルのプロダクトマネジメント担当VPを務めるRichard Holden(リチャード・ホールデン)氏は書いている。

実際には、このGoogleトラベルにおける無料リスティングの採用も、以前は有料広告で占められていた多くのリストに無料で掲載できるように変えていくGoogleで進行中の大規模な取り組みの一環である。電子商取引の最前線において、この変更は増大するAmazon(アマゾン)からの脅威に対抗するため、戦略的に意図されたものだ。Amazonはeコマースにおける広告ビジネスを、長年にわたって着実に成長させてきた。今では多くのユーザーが、商品を探す際に、完全にGoogleを飛び越えて、最初からAmazonで直接検索するようになってきている。これはGoogleのコアビジネスである広告事業に対する懸念すべき脅威だ。

画像クレジット:Google

商品の無料リスティングを始めた直後に、ショッピングタブのクリック数(2020年6月時点で70%増)とショッピングタブにおけるインプレッション(130%増)が増加したと、Googleは述べている。これはつまり、時間が経つに連れて、Googleはより多くのブランドを自社の電子商取引プラットフォームに引き込むことができ、競争が激化するという考えに基づく。多くの商品で市場の争いが激しくなれば、これまで無料リスティングの恩恵を受けていたブランドの中には、露出度を高めるために有料広告に転向するものも出てくるだろう。

航空券やホテルなどの旅行関連は、新型コロナウイルス収束後に、ウェブトラフィックの面で、Googleが成長を見込める分野の1つだ。だが、これまで過去数年間、ホテルの予約リンクは、特定の旅行日の料金と空室状況をリアルタイムで表示する有料広告としてGoogle上で提供されていた。

これらの掲載が無料になることで、消費者はさらに選択の幅を広げることができる。そしてGoogleは、ホテルの予約を検索するための場所として、より信頼性が高まるだろう。そうなればGoogleにとって、新型コロナウイルス収束後にブームとなることが予想される旅行予約アプリやサービスの数々と競争する際に役立つ可能性がある。ウイルスの感染流行はまだ終わっていないが、米国ではもうすでに収束に向かっていると捉えている兆候が見られる。例えば、いくつかの州ではマスク着用の義務が解除され、春休みの学生たちは例年のようにフロリダのビーチへ旅行を計画している。旅行の分野でコロナ禍が終わった効果はまだ完全には現れていないが、ロックダウンとステイホームで1年間を過ごした消費者が、欲求を抱えていることは明らかだ。

Googleは、今回の無料リスティングの追加により、そのプラットフォーム上で予約トラフィックとユーザーのエンゲージメントが増加すると主張している。そして次にこれは、広告主にとって、ホテル広告展開へのリーチが拡大することにつながるだろう。

一方で、この変更はホテルや旅行会社が、GoogleのHotel Centerアカウントを取得すれば無料でリスティングできるようになるため、潜在的な新しい広告主を引き寄せることにも役立つだろう。今後は掲載までのプロセスがもっと容易になり、ホテルのリスティングを提供するためのツールの複雑さが軽減されるとGoogleは述べている。すでにGoogleのHotel Prices APIやホテル広告に参加している既存のホテルパートナーは、無料の予約リンクに表示されるために何かアクションを起こす必要はないことも、同社は言及している。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:Googleeコマース旅行

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(文:Sarah Perez、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

投稿者:

TechCrunch Japan

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