Googleの翻訳ツールは対応言語がコンスタントに増えているが、今回のアップデートではミャンマー(ビルマ)の公用語であるビルマ語と、インドの地方言語の一つであるマラヤーラム語が加わったことが重要だ。後者はインドの6つの古典言語の一つで、3800万人が使っている。
Googleは今、同社のサービスを人口の多いインドで普及しようと努力しているから、マラヤーラム語への対応もうなづける。
今月初めにGoogleは、Indian Language Internet Allianceを立ち上げ、各種サービスのヒンズー語対応と、ヒンズー語による音声検索に力を入れていく意思を示した。そのときGoogle Indiaの専務取締役Rajan Anandanが記者会見の席で、“5億人のインド人全員が2017年までにインターネットを利用できるようにするためには、インターネットを英語のできない人でもアクセスできるようにしなければならない”、と述べた。Googleが対応するインドの言語は、今後もっともっと増えていく予定だが、今日のマラヤーラム語のGoogle Translateへの参加は、その重要な一歩でもある。
インドの公用語はヒンズー語と英語だが、インド政府はそのほかに約20種の地方言語も認めている。しかし最近の調査によると、インド全国で話されている言語の数は780種類、内1万人以上が使っているのは122だそうだ。
Googleによると、インドのインターネットユーザは約2億人で、毎月500万ずつ増えている。だから数年後にはインドのインターネットユーザ数は合衆国よりも多くなる。インドで英語ができる人は2億人弱と言われているので、Googleがインド市場を重視するかぎり、いろんな言語への対応を目指さなければならない。
一方、ミャンマー(ビルマ)に関してはGoogleの執行会長Eric Schmidtが昨年同国を訪れたとき、言論の自由の重要性を訴え、政府はインターネットを規制するな、と述べた。“粗悪な言論は規制によっては解消しない。粗悪な言論を淘汰するものは、より多くの自由な言論である。より多くのコミュニケーションである。より多くの人びとの声である。指導的立場にある政治家は、つねに、国民が何を考えているかをよく知っていなければ、優れた政治家であることはできない”、と彼は檄を飛ばした。
Googleのサービスの中ではとくに、検索と翻訳と地図のアクセス性を良くしたい、とSchmidtはそのとき述べた。
Googleによると今回のアップデートでGoogle Translateの対応言語は90になり、新たに2億人がこのツールを利用できるようになった。また同社のブログ記事では、Google Translateの翻訳の精度は各言語の翻訳コミュニティ(Translate Community)のメンバー次第であり、翻訳を修正したり、複雑なフレーズを翻訳したりして、ツールのアルゴリズムの欠陥を補う、と言っている。
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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))