GoogleはAdobeやSalesforceではないが、でもリテイラー(小売業)の要求に見事にフィットするスキルがあり、それによって顧客の体験を良くすることができる。そのスキルの中には、ピーク時でもお店のWebサイトやアプリが確実に動き続けるようにすることも、含まれるだろう。米国時間4月10日のGoogle Cloud Nextカンファレンスで同社は、その垂直戦略(業種別戦略)の例として、複数のソリューションから成るパッケージを紹介した。
また今朝は、同社がSalesforceとのパートナーシップの新たな段階を発表した。それは、コンタクトセンターのAIツールとチャットボットをSalesforceのデータと組み合わせて、両社の長所をより強化し、より良いカスタマーサービスの体験を作り出すプロダクトだ。
しかしGoogleにはSalesforceのような有名企業とのパートナーシップだけでなく、リテイラー向けの独自のサービスもある。それはたとえば、お馴染みのブラックフライデーのような小売店向け販促サービスだ。クラウドの価値がいちばん分かりやすいのは、ブラックフライデーのようなイベントだ。ご存知のようにその日には、サーバーが大量のトラフィックの爆撃に見舞われる。
クラウドは常に、このようなイベントを容易にスケールアップできるが、しかし完全ではない。Amazonは昨年、Prime Dayにサーバーが遅くなった。リテールのウェブサイトが遅くなったりダウンすれば大量の売上を失うから、Googleはそれが起きないように企業を助けたい。
そのために同社は、オンラインのリテイラー専用のサービスeCommerce Hostingを提供する。この特別プログラムでリテイラーは、技術的なレビューやピーク時のオペレーションのサポートなど、行き届いた世話をしてもらえる、という。つまり小売企業のサイトが需要増でダウンしたときでも、損失の大きい惨憺たる結果が生じないようにする。
またGoogleのリアルタイム在庫管理ツールを使えば、店員もお客もどの品番のソックスがあるか、ないかを正確に知ることができる。これもGoogle Contact Center AIと同じく、AIを使っている。Cloud Visionテクノロジーにより、顧客がカメラを商品に向けると、類似製品や関連製品を教える。そしてRecommendations AIは、お客が買った商品の関連商品をおすすめする。
ShopifyやIkeaなども、同社のリテールの顧客だ。またAccentureやCapGemini、DeloitteのようなSIパートナーや、Salesforce、SAP、Tableauのようなソフトウェアパートナーとも協働している。
Googleはこのように多面的なサービスを揃えて、さまざまな垂直市場(業種別市場)に対応しようとしている。それにより、どの業種にも、クラウドのアドバンテージを享受してもらいたい。これが、Google Cloudがソリューションを売っていく新たな方法であり、それによってクラウドのマーケットシェアを増やしたいのだ。
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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa)