Google(グーグル)の最新のフラッグシップモデルには、スマートブラー、オブジェクト除去、スキントーン露出などの写真をより美しく見せるための自動化されたAIツールが搭載されている。これらが宣伝通りに機能するかどうかは、実際に試してみないとわからないが、Pixelを気にしている人から気軽にスナップショットを撮る人まで、誰にとっても便利な機能となるかもしれない。
そもそも新しいカメラ自体が非常に印象的だ。Pixel 6とPixel 6 Proで共有されているメインのリアカメラは、そこそこの大きさのピクセルウェルとF/1.85相当の絞りを備えた5000万画素だ(デジタル一眼レフカメラのF/1.8ほどの光を取り込むことはできないが、それでも十分だ)。ウルトラワイドの方は、1200万画素とより小さなセンサーでF/2.2なので、圧倒的な画質は期待できない。6 Proには4800万画素の望遠があり、低照度能力は劣るが、4倍相当のズームが可能だ。いずれも手ぶれ補正機能とレーザーアシストオートフォーカスを搭載している。
基本的には、どんな状況でも最高の画質を求めるならメインカメラを使い、光量に自信があるならワイドやズームを使える。新しいカメラの機能はすべてのカメラで使えるようだが、一般的に、最初に良い写真を撮れば撮るほど、最終的な結果も良くなる。
最も簡単なツールは、「顔のぼかし解除」だ。完璧な写真を撮っても、シャープさに欠けることがあるだろう。Pixel Cameraでは、(今では普通の撮影プロセスの一部となった)自動的に常に多重露光撮影を行い、1つのカメラで撮影したメインショットと、別のカメラで撮影した顔の鮮明なショットを組み合わせる。そうするには、ギャラリーにあるシャープではない写真をタップし、「顔のぼかし解除」のオプションがあれば、すぐに実行できる。
確かに、上の画像のように、ぼやけた写真の中で顔だけがシャープになるのはちょっと変だが、この写真が欲しいのか欲しくないのか、と言われると欲しいと思う。
また、写真のボケに関しては、2つの新しい「モーションモード」を搭載している。1つは「アクションパン」で、背景を「クリエイティブ」にぼかしながら、通過する車などの動きのある被写体を鮮明に捉えることができる。つまり、通常の手持ちのボケではなく、演出されたズームのボケを適用するので、ちょっと「修正された」感じがするが、楽しいオプションだ。もう1つは長時間露光用ヘルパーで、背景をはっきりさせたまま動く被写体にボケを加えるものだ。三脚を使わずにヘッドライトの光を撮るときなどに便利だ。これらは、カメラアプリ内のモーションモードエリアにある。
「消しゴムマジック」は、最も明らかに「AI」なものだ。写真を撮ったときに、背景に人が入ってきたり、景色の良いところに車が止まっていたりしても、それらの厄介な現実世界の物体を消して、その存在を忘れられるようにしてくれる。ツールをタップすると、遠くにいる人や車など自動的に削除したいものがハイライトされる。さらに、例として挙げられているように、邪魔な丸太やその他のランダムな形状のものも削除できる。ビーチにある流木を消すなんて、本当に?幸いなことに、記憶の穴に捨てるものは選ぶことができ、無理強いされることもなく、認識できないものに丸を付ければ、最善を尽くして処分してくれる。
「スピーチエンハンスメント」は明らかに画像用ではないが、フロントカメラモードでは、デバイスが周囲のノイズを低減し、あなたの声に集中するよう選択できる。基本的にはGoogle版ノイズキャンセリングアプリKrisp(クリスプ)だ。これのような機能があれば、ずっと使っていたいと思うだろう。
「リアルトーン」は興味深い機能だが、危険をともなう可能性のある機能でもあるので、近々詳しく紹介する。Googleはこの機能について次のように説明している。「Googleのカメラや画像製品がすべての肌の色に対応できるようにAWB(オートホワイトバランス)、AE(自動露出)、迷光のアルゴリズムの調整を、画像制作者や写真家の多様な専門家と協力しました」。
基本的には、彼らの「スマート」カメラのコア機能が、他の肌色よりも特定の肌色でより良く機能したり、より良く見えたりしないことを確認したかったのだ。このようなことは、これまでに何度も起こってきたことであり、10億ドル(約1140億円)規模の企業が何度も失敗することは、屈辱的で恥ずかしいことだ。リアルトーンがうまくいけばいいが、たとえうまくいったとしても、写真の中の人の肌を明るくしたり暗くしたりするだけなのかという多くの人にとってセンシティブな根本的な問題がある。Googleは「この機能はオフにも無効にもできません」と言っているので、よほど自信があるのだろう。我々は、この機能をテストし、開発者や写真家にこの機能について話を聞いてみる予定で、興味深いが複雑なこの分野をより深く掘り下げていく。
これらの機能のうち、どれだけのものがPixelラインの携帯電話以外でも利用できるようになるのか、また、いつ利用できるようになるのかについては、完全には明らかになっていないが、何かわかったらお知らせする。
画像クレジット:Brian Heater
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(文:Devin Coldewey、翻訳:Yuta Kaminishi)