ジェンダーの問題に関してGoogleは決して完璧ではないが、でも努力はしている。そのGoogleが最近、同社のTranslateツールにちょっとした重要な変更を行った…ジェンダーに関してニュートラルな語の翻訳に女性形と男性形の両方を使って、ジェンダーバイアスを抑えたのだ。それまでGoogleは、ジェンダーニュートラルな語はデフォルトで男性形に訳していた。
それまでGoogleは、翻訳やオートコンプリート(自動補完)におけるバイアスを強く非難されていた。2月にはForbes誌が、ソーシャルメディアで報告されたTranslateのジェンダーバイアスの例を記事で取り上げた。
Google TranslateのプロダクトマネージャーJames Kuczmarskiが同社のブログにこう書いている: “いくつかの実在する文例を学習した機械学習のモデルがひとつの翻訳を作りだすときは、すでにあったジェンダーバイアスをそのまま再現していた。たとえば‘strong’や‘doctor’のような語は訳語が男性形に偏り、‘nurse’や‘beautiful’などは女性形に偏っていた”。
今度からGoogle Translateは、英語をフランス語やイタリア語、ポルトガル語、スペイン語などに翻訳するときや、トルコ語を英語に翻訳するときは、女性形と男性形の両方を出力する。男/女という単純な二分法が通用しないジェンダーについても、今後対応していく予定だ。また今回はWebアプリケーションのみだが、いずれはiOSとAndroidのアプリもそのようにする。そしてオートコンプリートにおけるジェンダーバイアスにも対応する。