GPSデータも三角法も使わずに近くにいる友だちを見つけるNowy Friends…出先で家族が迷子になるのを防げそう

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【抄訳】
Swissのスタートアップが作ったアプリNowy Friendsは、GPSや三角法に頼らずに、人と人の互いの近接性(近いところにいること)に基づいて人の存在を探知する。スマートフォンユーザの位置データをサーバに保存することもしないから、プライバシー侵犯のおそれもない。

このアプリはBluetooth Low Energyを使って近接性をアラートし、その通信範囲は50メートル程度だがオフラインでも使える。このアプリの特性を示す分かりやすいユースケースとしては、地下鉄やパーティーの会場、バー、あるいは通りなどで、互いに予期せぬ友だちを見つけることが挙げられる。

このアプリには近接性アラートのほかに、人にまつわるリマインダー機能もある。あらかじめ設定しておくと、たとえばAさんが近くにいるとわかったときには、そのAさん関連のリマインダーを起動する。Aさんから借りていて返さなければならない品物とか、Aさんにはあのことを訊(き)かないといけないな、とか。

このiOSアプリは3月にベータでローンチしたが、一般に宣伝し始めたのは先月だ。彼らはまず、母校の国立ローザンヌ工科大学(EPFL)でテストを開始した。実はこのプロジェクトは、同大学の研究開発助成金Innograntをもらっている。今現在このアプリは375回ダウンロードされ、毎日のアクティブユーザは50から100人ぐらいだ。成長策の一環として、今Androidアプリを作っている。

GPSを使わずにこういうP2P方式で探査すると、位置の精度が良くなり、しかも電池消費が少ない、とNowy Friendsの協同ファウンダSilviu Andricaは述べる。

いわゆる‘ソーシャルレーダーアプリ’は、すでにFacebookのNearby Friendsや、500、Find my Friends、SocialRadar、LetsMeetAppなどいろいろあるが、BLEを利用するNowy Friendsにはプライバシー、精度、電池寿命、そしてオフラインで使える、といったアドバンテージがある、とAndricaは主張する。

彼曰く、“今あるアプリはどれも、ユーザの位置情報をサーバに保存する。どんなサーバも、ハッカーにやられる可能性がある。Nowy Friendsはユーザの位置をどこにもアップロードしない。その必要性がないから”。

Nowy Friendsは今現在、Facebookのアカウントでサインインするという方式だが、ユーザのデバイスからFacebookに何らかのデータをアップロードしたりはしない。Facebookに行くのは、ユーザのFacebookアカウント情報だけだ。またユーザの認証にFacebookのデータを利用するので、Facebook上のフレンドでない全然無関係な他人にこのアプリで自分が見つけられることはない。Facebookのフレンドが全員このアプリを使ってくれるようになるには、相当時間がかかりそうだけど。

【後略】

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

投稿者:

TechCrunch Japan

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