Healthcare.gov:オープン前日には1100ユーザーしか扱えなかった

最近公表された文書によると、国の保険Eコマースサイトの失敗作、Healthcare.govは、公開前夜わずか1100ユーザーしか扱えなかった[PDF]。

「現在応答時間が長くなりすぎることなく扱えるユーザー数は1100人である」と、ウェブサイトチームの技術報告書は指摘している。最終的には1万人をサポートできるようにしたい、と同文書は記載している。

オープン初日、Healthcare.govには280万人が訪れた。USA Todayによると、管理者側の予想は同時ユーザー数5~6万人だったが、実際には25万人を受入れた。

改めて数字を見てみよう。

  • 収容能力:1100
  • 予想:5.5万
  • 実際:25万

この結果、開始当日に登録までこぎつけたのはわずか6名で、アメリカの消費者たちを高い保険料で脅かすことになった。管理チームは完全に準備不足だった。

「彼らは世界最大のスタートアップを経営していたが、誰ひとりとしてスタートアップはおろか企業を経営したこともなかった」とハーバード大学のDavid Cutler教授がWashington Postに語った。「法案を通すことに長けた人々が、この種の実装に長けているという状況は極めて考えにくい。両者は異なる種類のスキルだ」。

いったい、どうすすろ技術チームが需要の1/10も扱えないと考えている時にウェブサイトを公開できるのだろか? こうした無能さこそ、Eコマースサイトの構築はスタートアップに任せるべきだった理由だ。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi)


投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。