HTCの(財務上の)苦闘は本物だ。台湾のIT企業はまたも厳しい四半期を終え、2015 年Q4の決算は、34億ニュー台湾ドル(1.01億米ドル)の損失だった。総売上は257億ニュー台湾ドル(7.66億ドル)で、前期より20%近く減少し、対前年比では46%と大きく下落した。
携帯電話メーカーの同社は、1年前の2014年Q4には、わずかではあるが4.7億ニュー台湾ドル(1470万ドル)の利益を上げていたが、今期で三期連続の損失となった。2015年Q3には45億ニュー台湾ドル(1.39億ドル)の損失を出し、売上の予測を中止した。2015年Q2は80億ニュー台湾ドル(2.52億ドル)の損失だった。
短いプレス発表文の中で、HTCは新製品についていくつか具体性のない前向きな言葉を発した。Desire製品ラインは「勢いがよく」、HTC One A9はアジア、米国および欧州で「好評を博している」とした。アナリスト向けの電話会見で、CFO・グローバルセールス担当プレジデントのChialin Changは、HTCの看板であるHTC One M9の販売が2015年の予測に達しなかったことを率直に認めた。
「製品体系は合理化され事業コストは適切であることがわかるだろう」と、Changは、HTCが今年の計画で何が変わるかを尋ねられて語った。
その「適切なコスト」を見つけるために、HTCは2015年後半に一連の構造改革を行い、スタッフも15%を解雇したが、コストに関する問題はまだ残っている。Changによると、リストラによる出費があと1四半期残るので、財務改善の効果はHTCの2016年Q2まで期待できない、と同社CFOが付け加えた。
HTCはバーチャルリアリティー(例えば新製品のVive)とモノのインターネット(IoT)に大きく重点を置いている。Changは、VRとウェアラブルへの取り組み ― Under Armorとの共同で最初の製品を発表したところ ― は「収支に有意義な影響を与えるだろう」と楽観してみさた。曖昧なことに加え、VRが消費者市場でどう立ち振る舞うかは ― 売上についても ― 予測は困難であり、まだ生まれたばかりで他の製品とは全く異なる。はっきりしているのは、2015年がHTCにとって悲惨な年であり、今年また繰り返すことは許されないということだ。
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(翻訳:Nob Takahashi / facebook)