HTCはブロックチェーンスマホの普及機を発表、Zion Vault SDKオープンソース化

HTCは、Blockchain Weekで、近々発売予定のHTC Exodus 1sについて紹介し、このイベントを盛り上げるのにひと役買った。この好奇心をそそられる最新のブロックチェーンスマホは、Exodus 1の低価格版に相当するもの。Exodus 1は、一般の通貨での支払いも可能にした際に、699ドル(約7万7000円)という値段が付けられていた。

HTCは、やはりまだ正確な価格については明らかにしたくない様子で、単に「より価格重視のバージョン」とだけ称している。また、HTCは製品コストを下げるために、どの部分を削ったのかについても語らなかった。それについてはGoogle Pixel 3aという低価格機と似たような部分になるのではないかと推察される。ちなみに、Pixel 3aは元はHTCのチームによって開発されたものだ。Pixel 3aの場合、低コスト化によって影響を受けたのは、プロセッサーの処理能力と本体の素材が主だった。もちろん、Exodus 1の半透明リアパネルは、いい意味でギミック感があって、なかなかいい感じだったのだが。

ここで最も興味深いのは、低価格版を開発することにした動機だ。HTCのプレスリリースには以下のように述べられている。

これによって、新興経済国のユーザーや初めて暗号化の世界に足を踏み入れようというユーザーでも、手を出しやすい価格でこのテクノロジーにアクセスできるようになります。その結果、暗号化技術とブロックチェーン技術へのアクセスが民主化され、世界的な普及と受容が促進されるはずです。HTCは、今後数カ月以内に、詳細な仕様と正確な価格について公開する予定です。

これはちょっと大げさなビジョンかもしれないが、このアイデアには見るべきものがあると思われる。ブロックチェーン技術を利用するには、それに要する金額がネックになる場合がある。それでも、この分野の専門家の多くは、ブロックチェーンがこの先オンラインでの少額取引の重要な基盤となるということで意見が一致している。Exodus 1は、状況からして必ずしも大ヒットしたというわけではなかったが、これは最初の一歩として、興味深いものになるかもしれない。

今回の発表の中で、もう1つ興味深いのは、Zion VaultのSDKをオープンソースにするということだ。Zion Vaultは、HTCがExodus 1に導入したシステム保護機能、TEE(Trusted Execution Environment)だ。HTCでは、このSDKをデベロッパー向けにGitHubで公開する予定としている。「堅牢さとセキュリティを確保するには、コミュニティの力が不可欠だと理解しています」と、HTCは述べている。「そこで、Exodusチームにとって重要なのは、私たちのコミュニティが、ベストなツールを入手できるようにすることなのです」。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

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TechCrunch Japan

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