スタンドアローンのストリーミングサービスは、通信回線の高速化とスマートなモバイルデバイスの普及が相まって成長してきたが、動画の視聴はリビングで行われることがまだ多いようだ。HuluのOTT(通信会社やインターネット経由の通信容量の多い)動画ストリーミングサービスでは、リビングでの視聴が増加している。今日、Huluのコンテンツの視聴場所でリビングが占める割合は2014年第1四半期の44%から58%に伸びたと同社は伝えた。
この数値は急伸したようだ。昨年の第3四半期、Huluのリビングにあるデバイスからの視聴は既に50%に達していた。
この流れはHuluに限ったことではない。Freewheelの最近の業界レポートによると、OTTのストリーミングデバイスからの視聴は昨年同時期と比べて380%の増加があるが、スマートフォンの視聴は105%の増加に留まった。
Huluの広告セールスのSVPを務めるPeter Naylorは、6月にMedia VillageにHuluのネットワークに関する上記のデータやその他のデータを共有した。この流れはHuluの視聴者数に影響を与えると彼は話した。Huluの動画ストリームの多くで、1つのストリームを複数の人が視聴していることを考慮しなくてはならないからだ。comScoreと協力した調査では、Huluは、OTTの一回のストリームでは平均1.4人が視聴していることが分かった。また、特定のデバイスやコンテンツによっては一緒に見る人数はその倍以上になった。言葉を代えればストリーミングメディアサービスは、これまでのテレビのように視聴されるようになってきたと言えるだろう。リビングの大きな画面の前に友達や家族が集まって、皆で視聴しているのだ。
Huluにとって、リビングでの存在感が増すことはモバイル視聴の減退を伴うものではなかった。モバイルからの視聴は比較的安定していて、2014年Q1の15%で翌年は17%に伸びた。代わりに、リビングでの視聴の増加に伴い、パソコンでの視聴は減退した。パソコンでの視聴は、2014年Q1の41%から2015年Q1には24%となった。
Huluのリビングでの視聴に関するデータをテレビの有料登録を解約してインターネットサービスへの乗り換えを支持するサイトCordCuttersNewsが行った小規模で独立した調査結果と並べてみよう。彼らは1000人以上にReddit (/r/CordCutters) とFacebookで、動画コンテンツを視聴するのに何のデバイスを利用しているかという質問をした。多くの人がRoku、Chromecast、Amazon Fire TV、ゲーム機やスマートテレビと回答した。(OTAアンテナやパソコンも個人の回答に基づく今回のアンケートで存在感を見せていた。)このアンケートは、インターネットでの視聴を好む人にバイアスがかかっているし、Huluといったストリームングサービスを有料で利用しているからといって、ケーブルテレビを全て解約したとは限らない。しかしそれでも、Roku(回答結果の68%)のようなメディアプレイヤーを利用して、お気に入りのテレビや映画を視聴している人の存在を示している。
またこのアンケートで、ユーザがケーブルテレビ等を解約し、これまでのテレビでの視聴から、Netflix、Amazon、YouTube、Hulu(人気順)のストリーミングサービスに乗り換えた大きな要因はコストであることも示唆された。
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