IBM社長ジム・ホワイトハーストがわずか14カ月で退任

米国時間7月2日、IBMは、Red Hatの買収にともなって入社したJim Whitehurst(ジム・ホワイトハースト)氏が、社長就任からわずか14カ月で社長を退任するという驚きの発表を行った。

辞任の理由など、詳細は発表されていないが、声明には2018年にRed Hatの340億ドル(約3兆7740億円)の買収を成功に導いた功績と、彼がその後の両社の融合に努めたことが特記されている。「ジムはIBMの戦略の構築に力を発揮しました。また、IBMとRed Hatの協調関係を確実なものとし、弊社の技術的プラットフォームとイノベーションが顧客にもたらす価値を大きなものにしました」とある。

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ホワイトハースト氏は会長兼CEOであるArvind Krishna(アルヴィンド・クリシュナ)氏のシニアアドバイザーとして社に残るが、短期間で社長職を去る理由、および今後についての説明はない。通常、このクラスの大きな買収があると、上級役員の処遇に関する合意もあるはずだが、単純にその期限が過ぎただけなのか、ホワイトハースト氏が昇進を求めているのか、そのどちらかかもしれない。彼をクリシュナ氏の当然の後継者と見ていた者もいたが、その線で考えるとなおさらのこと、今回の異動は意外だ。

Moor Insight & Strategiesの創業者で主席アナリストのPatrick Moorhead(パトリック・ムーアヘッド)氏は「ジムはIBMの次のCEOだと思っていたから意外だ。IBMの生え抜きであるクリシュナ氏と外部からの人材であるホワイトハースト氏のコンビも、すてきだった」と語る。

とにかく、IBMを主にハイブリッドクラウドにフォーカスした会社に変える仕事をしていた彼を失うと、クリシュナ氏のリーダーシップチームに大きな穴ができる。ホワイトハースト氏は、その深い業界知識と、Red Hat時代に培われたオープンソースコミュニティの信頼を武器として、IBMの変化を推進する絶好の位置につけていたことは間違いない。彼は、簡単に代わりを見つけられるような人物ではないし、今日の発表も後任については触れていない。

2018年にIBMがRed Hatを340億ドルで買収した際、両社には滝のように連なる一連の変化が起きた。まず、Ginni Rometty( ジニー・ロメッティ)氏がIBMのCEOを降りアルヴィンド・クリシュナ氏に代わった。同時に、Red HatのCEOだったジム・ホワイトハースト氏が社長としてIBMへ移籍し、長年の社員だったPaul Cormier(ポール・コーミエ)氏がRed HatのCEOを引き継いだ。

今日は、その他の異動も発表され、その中では長年IBMの役員だったBridget van Kralingen(ブリジット・バン・クラリンゲン)氏が退社し、グローバル市場担当上級副社長としての役を降りることになった。また、IBMのクラウドとデータプラットフォーム担当上級副社長だったRob Thomas(ロブ・トーマス)氏がバン・クラリンゲン氏の役を引き受けることになる。

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画像クレジット:Bloomberg/Getty Images

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(文:Ron Miller、翻訳:Hiroshi Iwatani)

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