IMAX、世界に「VR体験センター」を開設へ。独自のVRカメラも開発

A man tries out the Oculus Rift virtual reality headset at the Oculus booth at the Electronic Entertainment Expo on Wednesday, June 11, 2014, in Los Angeles. (AP Photo/Jae C. Hong)

IMAX。映像テクノロジー推進の第一人者である同社が、バーチャルリアリティーのリングに上がるべく、新たに一連のプロジェクトを立ち上げる。

Goolge I/Oカンファレンスの後、IMAXは360度、3Dコンテンツの撮影を可能にする「映画品質のバーチャルリアリティー(VR)カメラ」を開発する計画を発表した。映像技術の巨人は、このプロジェクトをGoogleと協同で進める。Googleは同社のJumpプラットフォームを使い、開発には18ヵ月を要すると予想されている。仕様から見て、これは業務用カメラであり消費者向けではない ― 相当の現金を手離すつもりでない限り。

さらにIMAXは、VRコンテンツに変換するために、既存の映像作品をGoogleに提供すると言った。

VRをスクリーンに持ち込むだけでなく、IMAXはVRスクリーンを消費者の手に渡すことも見据えている。同社は、ショッピングモール等の公共の場所で「VR体験」を提供する準備を進めている、とWall Street Journalは伝えている。言い換えれは、誰でもVRヘッドセットを使ってゲームをプレイしたりビデオを見たりできる場所だ。

スウェーデン拠点のStarbreeze ― ヘッドセットとゲームを提供する ― との提携によって、IMAXはVRセンターを世界6箇所に開設する予定で、ロサンゼルスを皮切りに中国その他の地域へと拡大していく。

この計画は、VRカメラと密接につながっている。なぜならIMAXは映画製作会社のVRコンテンツを作ってもらい、このVRセンターに配信してほしいからだ。

コンテンツ形態としてのVRは、メディア業界への転換が可能だが、配給には根本的問題が残っている。最近本誌のDisruptイベントのパネルで論じたれたように、ヘッドセットのあの形状と価格は、アーリーアダプターか可処分所得の豊富な人に利用が限定され、一方では、自宅でしか使えないことが利用シナリオの可能性を限定している。モバイルVRは問題の一部を解決するものの、別のタイプの課題をもたらす。デバイスは非力なマシンにつながれ、バッテリー寿命の心配やその他のモバイル要因が絡んでくる。

IMAXのVR体験センターは、この配給問題を解決するものではないが、VRを身近にすることはでき、その結果認知度を高め、多くの人々に役立たせることができるかもしれない。少なくとも、将来われわれを興奮させる新たな(そしてカッコいい)映像体験が期待できそうだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

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TechCrunch Japan

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