Instagram(インスタグラム)でフィードを最後までスクロールしていく日々が終わりそうだ。2020年アルゴリズムによる「おすすめ」をフィードの末尾に追加したのに続き、Instagramは、ユーザーがフォローしていないアカウントのおすすめ投稿をフォローしているアカウントの投稿と混ぜて表示する実験を行う。
今後数日のうちに、同社は「おすすめ投稿」を拡大し、おすすめコンテンツを通常フィードの中に撒き散らすテストを開始する。現在、おすすめ投稿はフォローしている人の投稿を全部スクロールし終わった後、2018年に導入された「You’re all caught up(コンテンツは以上です)」のメッセージをタップすると表示される。フォローしている人数によっては、そのメッセージやInstagramのおすすめにほとんど、あるいはまったく遭遇しないこともありうる。
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「おすすめ投稿」の存在感を高めることに加えて、Instagramはユーザーが同機能を「スヌーズ」してフィードから30日間除去できるようにするオプションもテストする。テスト参加者は誰でも、興味のない投稿が現れたときにフィードバックを送れるが、フィード内のおすすめ投稿を完全に無効化することはできないようだ。
このおすすめ投稿の拡大には、ユーザーが自分の興味分野(ネコ、バスケットボール等々)を管理することで見えるものを形作っていく仕組みも加わっている。ネコを十分に見たら、その興味分野オフにして、もうこれ以上ネコを見たくないことをInstagramに知らせることができる。
Facebook広報はTechCrunchに対し、おすすめ投稿の拡張はInstagramフィードの「拡張」であり、アルゴリズムによるおすすめとフォロー中アカウントの投稿との比率は、ユーザーのアプリの使い方に応じて変わると説明した。
テストは英語を話す国のみで少人数を対象に実施されるが、参加者の具体的人数は明らかにされていない。
この実験が最終製品に入るかどうかはわからないが、Facebookの最近の風潮からすると実現する可能性は高い。TechCrunchが以前報じたように、Facebookは、意図的な中毒性があると悪名高かったアプリにおけるユーザー行動を、ユーザー自身がコントロールするためのツールを2018年に導入した。「コンテンツは以上です」のメッセージアプリに費やした時間を追跡する機能などだ。
これらのツールは、何をおいても人々をサービス(および広告)に留まらせることに価値を見出している会社にとって大きな転換ではなかったが、少なくともFacebookが、ソーシャルメディア中毒を巡る議論が当時のテック世界にまき起こっていたことを多少なりとも認識していたことを示すものだった。
2020年、Facebookはそうした懸念に寄り添うことをやめたようだ。InstagramはTikTok(ティックトック)の未熟だがよくできたエンドレス・アルゴリズム・フィードと爆発的成功の熱を感じた。過去に何度もあったように、この会社は脅威を感じさせるライバルを追いかけるために、新しいことに挑戦するのではなく、自らのアイデンティティを変えることを選んだ。
おすすめ投稿の新しいやり方は今のところ単なるテストだが、ユーザーがフォローしているアカウントの投稿にアルゴリズムによるおすすめを混在させることは、アプリの本質に関わる大きな変更だ。現在は、真のエンドレスInsagram体験を望むユーザーは、発見タブを使うか「コンテンツは以上です」メッセージを越えてスクロールすることができる。退屈しのぎにそれを行って心の健康を害する結果になった人たちが数多くいることは間違いない。
しかし今回のテストでは、ユーザーがInstagramを使う際に、例えば友達、地元の店、インフルエンサーなど自分が個人的に興味をもっているアカウントの投稿だけを見ることが難しくなる。Instagramは、会社として見せたいもの、あるいはあなたが見たいと会社が信じているが本人はまだ知らないものを、ユーザーの体験に注入したがっている。
最終的な結果は、大量のアカウントをフォローしていてめったにフィードの末尾まで達しない人にとってはほとんど違いを感じないかもしれないが、元のプロダクト(今や遠い記憶の中)からさらに脱線する一方、Instagramにはユーザーのアプリ滞在時間を増やしより多くの広告を見せる手段を与えることになるだろう。
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(文:Taylor Hatmaker、翻訳:Nob Takahashi / facebook )