InstagramのアルゴリズムをInstagramのチームが詳しく説明

Instagramが2016年に逆時系列フィードのアルゴリズムを捨てるまでは、すべてのポストの70%、友だちのポストの50%が失われていた。順序の混乱に対する批判はあったが、今のInstagramは、関連性ソート(relevancy sorting)によって8億あまりのユーザーが友だちのポストの90%を見ており、このアプリ上で過ごす時間が増えている、と同社は主張する。

しかしInstagramはこれまで、そのアルゴリズムがどのようにしてユーザーに見せるものを選んでいるのか、説明したことはなかった。そして、オーナーがFacebookであるこの企業は今日(米国時間6/1)、サンフランシスコに建築中の新しいオフィスに記者たちを集め、Instagramのフィードのランク付けアルゴリズムの蓋を開けて見せた。

InstagramのプロダクトリードJulian Gutmanがアルゴリズムを説明している

Instagramのフィードのランク付けの基準

Instagramは、ユーザーの過去のビヘイビアに基づく機械学習により、誰にとってもユニークな(その人だけの)フィードを作っている。誰かと同じアカウントをフォローしていても、それらのアカウントとの対話の内容に基づいて個人化されたフィードが来る。

Instagramのフィードで何を見るかを決める、三つの主な要素は次のとおり:

  1. 関心: ユーザーが関心を持つ、あるいは気にする物事は、類似のコンテンツに対する過去のビヘイビアや、ポストのコンテンツに対するマシンビジョン(機械視覚)の分析で判断している。
  2. 新しさ: そのポストが共有されたのはどれぐらい最近だったか。何週間も前のものより、至近のポストが優先される。
  3. 関係: 共有したその人とどれだけ親(ちか)しかったか。ポストにコメントした、写真にタグをつけたなど、過去のInstagram上で多く対話した人ほど、ランクが高くなる。

以上の中心的な要素のほかに、以下もランク付けに影響する:

  • 頻度: どれぐらい頻繁にInstagramを開くか。最後の訪問以降のベストポストを、なるべく見せようとする。
  • フォロー: たくさんの人をフォローしている人ほど、広い範囲からコンテンツを拾う。
  • 使い方: 短時間、ベストポストだけを見たか、それともカタログをじっくり見て閲覧に多くの時間を割いたかで、見せるコンテンツが決まる。

Instagramの神話を退治する

Instagramのチームは、フィードに関する陰謀説などの疑問にも答えた。本誌TechCrunchは、その答の真偽を検証できない:

  • Instagramは現時点で古い逆時系列フィードをオプションとして検討していない。それは、複雑さをさらに増したくないからである。ユーザーは、今がどのフィードか忘れてしまうだろう。ただし、そのアルゴリズムが嫌いなユーザーには耳を傾けている。
  • Instagramはポストをフィード中へ隠していない。スクロールすれば、フォローしている人全員のすべてのポストを見ることができる。
  • フィードのランキングに写真やビデオのフォーマットは関係しない。ユーザーがエンゲージしているコンテンツに基づいて、フィードもチューニングされる。ビデオを見ることが少なければ、フィード中のビデオも少ないだろう。
  • InstagramのフィードはStoriesやLiveなど、特定の機能を好むユーザーを優遇しない。
  • Instagramは、あまりにも頻繁にポストする人や、特定のビヘイビアを繰り返す人のランクを下げないが、頻繁なポストの合間に別のコンテンツを入れることはある。
  • Instagramは個人アカウントや企業アカウントをフィードで優遇することはないから、アカウントを切り替えてもリーチに変わりはない。
  • シャドウバンは(shadowbanning)は実際にはない。Instagramは人びとのコンテンツを、ハッシュタグが多すぎるなど、特定のアクションを理由として隠すことはない。

〔shadowbanning, ポストが投稿した本人には見えるが、そのほかの人には見えない(見せない)こと。〕

今日のInstagramの、初めての記者たちとのホワイトボードセッションで、やっと誤解の多くが解けたと思われる。自分のポストが自分のお気に入りの人たちに届いているという、確信を持てるなら、広いオーディエンスを確実に構築できる。そして、いつもすばらしいコンテンツが見られるなら、Instagramのアプリをもっと頻繁に開くだろう。

しかし、地平線上には、Facebookのアルゴリズムが2015年に経験したものと同種の問題が、首をもたげている。それは、競争によるリーチの減少だ。Instagramの個人会員や企業会員が増えてポストが増え、しかし一ユーザーあたりの滞在時間が同じなら、多くのポストが水底で溺れ死に、そうでないポストもビューは少なくなる。人びとは必然的に、Instagramは広告が多すぎると不平を言うが、でもそれは、アルゴリズムでフィードを作っている人気サイトの宿命だ。

余剰コンテンツをStoriesに押し込めたり、フィードについてユーザーを教育してこの問題を和らげる努力をすれば、不平は減るだろう。Facebookはすでにクールでなくなったが、Instagramがユーザーの人気を失ってはいけない。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

投稿者:

TechCrunch Japan

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