iOS Simulatorをいじっていたデベロッパーが、iOSのコードの中に、iPhone用の片手キーボードを見つけた。最近のスマートフォンは大型化しているので、いろんなものに届きにくいが、このキーボードはiOSの標準のキーボードの端を右または左にスワイプすると使える。上図のようにキーは左または右に寄って出るので、キーボードの幅自体は片手操作向きに小さい。カット、コピー、ペーストなどのボタンも、やはり届きやすい場所にある。
ただし: 残念ながら、あなたはこれを使えない。
これは、iOS Simulatorをハックして見つかった非公開の機能だ。このiOSオペレーティングシステムのシミュレーターは、デベロッパーが開発のためにMac上で動かして使う。ジェイルブレイクしたiPhoneなら使えるかもしれないが、今のところそれに関する情報はない。
このキーボードを昨夜(米国時間10/19)見つけたAppleのデベロッパーSteve Troughton-Smithのツイートによると、iOS 8以降のiOSのコードにキーボードは隠れていたが、正規の機能として公開されたことはない。
コード中に未公開の機能があることは、珍しくもないが、その片手キーボードはほとんど完成しているように見える。iPhone 7 Plusで公開されなかった理由が、よく分からない。
でも、それがまさしく存在していることは、大型画面の機種で今後使われる、ということかもしれない。
大きなiPhone 7 Plusでタイピングが困難、という人はあまりいないけど、長いテキストメッセージやタイピングでは、どうしても両手を使ってしまう。それは、あまり良いことではない。
Appleは大型スマートフォンの操作性を改善するために、いろんな工夫をしている。たとえばiPhone 6 PlusのReachability機能では、Homeボタンを軽く二度タップすると画面が下に行き、上部のアイコンに親指が届きやすくなる。これで画面の各部に触れやすくはなるが、大型機での長文テキスト入力という問題は、解決されない。
片手タイピングはAppleだけでなく、Microsoftも考えていて、最近はWord Flowという片手キーボードをローンチした。それには、高速タイピングのためのホィールというインタフェイスなどがある。またBaiduのTalkTypeキーボードでは、テキストを音声入力しながら正しい語を親指で指定できる…それもやはり片手で。
Troughton-Smithはスクリーンショットのほかに、そのキーボードを実際に使っているビデオをツイートし、キーボードのコードのスクリーンショットも公開している(下図)。
画像クレジット: 9to5Mac