IoTデバイスに特化した検索エンジンを開発するCensysが約16億円調達

インターネットデバイスの検索エンジンであるCensys(センシス)は、おそらくあなたが耳にしたことがない最大の検索エンジンの1つだ。

Google(グーグル)がウェブ上の情報を見つける検索エンジンなら、Censysはデータをホストするコンピューター、サーバー、スマートデバイスなどのインターネットデバイスを見つける検索エンジンだ。インターネットに接続されたデバイスを探しながら継続的にマッピングを行い、企業のファイアウォールの外側からアクセス可能なデバイスを特定することを可能にする。その目的は、ウェブからアクセスできるシステムを捕捉し、セキュリティの脆弱性のため悪用される可能性があるデバイスを把握する手段を企業に提供することだ。

Censysは、GV(ジーブイ)とDecibel(デシベル)がリードしたシリーズAで1550万ドル(約16億円)を調達した。Greylock Partners(グレイロックパートナーズ)も参加した。

米国ミシガン州アナーバーに本拠を置くインターネットセキュリティのスタートアップの最高経営責任者兼共同創業者であるDavid Corcoran(デービッド・コーコラン)氏は、「当社は一流のセキュリティ人材に積極的に投資する計画であり、営業、エンジニアリング、リーダーシップチームの拡大に向け、来年には従業員数を約50人から100人に倍増させる計画だ」と語った。

「世界一流の投資家から投資を受けたことを大変嬉しく思っている。当社はこの勢いを止めることなく、絶え間なく変化する環境で企業のセキュリティ管理に革命を起こし続ける」とコーコラン氏は述べた。

資金調達はこれ以上ないタイミングで行われた。同社だけがインターネットデバイス検索エンジンというわけではなく、ライバルにはBinary Edge(バイナリーエッジ)やShodan(ショーダン)がいる。しかし同社によると、インターネットマッピングテクノロジーの改善に2年を費やしており、以前よりインターネットらしくなっている。

元々はオープンソースのZMapスキャナーの開発・保守を行っていたチームが構築した新しいスキャンエンジンは、他のセキュリティ会社よりもインターネット上のデバイスが44%多いと同社は主張する。チーフサイエンティストであるZakir Durumeric(ザキール・デュルメリック)氏は、「企業は新しく脆弱なシステムがオンラインになると同時に確認できるようになる」と語った。

Censysはアナーバー地域で成長しているセキュリティ企業の1つ。ほかにも同地域最大級の会社としてDug Song(ダグ・ソング)氏が共同で創業したDuo Security(デュオセキュリティ)がある。同氏はCensysの取締役も務める。

「見えないものを保護することはできない。だが今日のダイナミックなIT環境で多くの組織は、リスクのある全てのシステムとアプリケーションを攻撃者が見つける前に必死に探し出そうとしている」とソング氏は言う。「Censysは防御側が必要とする『可視化の自動化』によって力を貸す。それによりリスクをしっかり理解し、先回りできる。そして小規模なセキュリティチームでも大きなインパクトを与えることができる」

画像クレジット:Censys

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(翻訳:Mizoguchi

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TechCrunch Japan

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