デバイスの分解で有名なiFixitが米国時間5月19日に、現在の緊急事態にさらに注力したい、と発表した。これまでの2カ月の間、同サイトはスタッフのおよそ半分を医療機器のマニュアルのデータベースの開発にあてた。この種のデータベースとしては「世界最大」だという。
そこには、数百社分の誰もが自由に使えるマニュアルが13000ほどもある。中にはiFixit自身が制作したものや、多くのエキスパートが寄与貢献したクラウドソーシングの文献もある。
iFixitのCEOであるKyle Wiens(カイル・ウィーンズ)氏は「とても大きな仕事だったが、幸いにも全国の200名を超える司書や文書発掘専門家の協力を得られた。文書官たちの出自は、大学や公立図書館、研究所、保険企業、ソフトウェア企業、それにもちろんバイオメディカルの企業など多岐にわたる。全員がボランティアとして活躍してくれた。彼らが山のようなドキュメントを整理して閲覧と検索が可能な形にまとめるために費やした人時は、数千時間に達するだろう」という。
同サイトは、ボランティアたちのリストも作っており、多数の大学や図書館はもちろんLinkedInのような企業からの参加もある。このようなプロジェクトの遂行は最近まで不可能と思われていたかもしれないが、新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックで医療の負荷があまりにも過重になっており、多くの人が自分にできることは何でもやろうという気になっているのだろう。
iFixitによると、このデータベースは新型コロナが収束した後も利用可だが、このようなリソースが最も必要なのは、まさに今だ。
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