iPhoneの新ペアレンタルコントロールは通話やメッセージの相手と時間帯を制限可能に

米国時間12月10日に公開された iOSのアップデートによって、親は子供のiPhone中毒を緩和する新たなツールを手に入れた。iOS 13.3のリリースで、親は初めて子供が1日の特定の時間帯に電話をしたりメッセージをやり取りできる相手を制限できるようになった。対象となるのは通話、メッセージ、およびFaceTime。さらに、子供の利用が許されているスクリーンタイムと休止時間とで別々の制限を与えることができる。

設定アプリのスクリーンタイム項目に加わった「通信/通話の制限」セクションでは、連絡先に基づいて制限を設けることができる。許可されているスクリーンタイム中、ユーザーは誰からでも、あるいは連絡先に載っている人だけから受信するように設定できる。休止時間中は、誰からでも、あるいは指定した人からのみ受信するかを選択できる。

スクリーンタイムのペアレンタルコントロールで設定すれば、親は子供がいつ誰と連絡できるかを決められる。休止時間中については、子供がメッセージや通話できる相手を個別に指定可能だ。例えば、ママやパパとだけのように。

これにより親は、休止時間をスケジューリングすることで子供が深夜や投稿時間中に友達とメッセージ交換するのを事実上防ぐことができる。もちろん休止時間は「夜間」以外に設けられるので、アプリを使えたり、電話をかけられる時間を自由に設定できる。

新機能では、子供のiCloud連絡先をリモートで管理可能なので、子供に大切な電話番号を伝えるのに便利だ。ただしその場合、親が連絡先の全権限を持つので、親しか編集できなくなる。

新しい「通話/通信の制限」は昨年iOS 12で導入されたアップルのスクリーンタイムという大きな構想の一環だ。このシステムによってiPhoneユーザーは、画面から離れる時間帯を決めたり、アプリに制限時間を設定したり、利用時間やアクティビティレポートを見ることなどが可能になった。

多くの親たちはすでにこうした管理機能を使って、子供たちの利用方法を厳しく制限しするために、ゲームなどのブロックしたいアプリを個別に設定したり、「休止時間」をスケジューリングしたりしている。さらに、親は子供の端末を一切使えなくする時間を設定することもできる。

消費者のテクノロジーとの秩序を乱す関係に対応する方法を考え直しているIT企業は同社だけではない。Google(グーグル)も独自の「デジタル・ウェルビーイング」と呼ばれる機能をAndroidに導入している。FacebookとInstagramも、ソフトウェアのアルゴリズムを一部変更して「有意義な時間」などの新しい指標に取り組んでいる

アップルのスクリーンタイムは小さな子供たちには有効に働くだろうが、ティーンエージャーたちはたちまちに抜け穴を見つけてみんなで共有しているようなので、これからも親は頭を痛めることになるだろう。果たしてティーンが新しいペアレンタルコントロールシステムでiMessageを送る裏技を見つけられるかどうか、それは時間が経ってみないとわからない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook