複数のFCC提出資料によると、ロボット掃除機メーカーのiRobotは自動芝刈機を開発している ― そして電波天文学者をイラつかせている。プロジェクトは未だベールの中にあるが、芝刈機がよそへ入り込まないために低出力のラジオビーコンを使って庭の境界を検出している。他の自動システム ― ワイヤーやバリアーを使ってロボットを包囲する ― と異なり、このビーコンが6240~6740MHzの電滋波を放出する。
これは国際電波天文台(NRAO)によると、宇宙空間のアルコール ―
「星間メタノール」― の検出に用いられており、メタノールの存在は星が誕生しつつあることを意味する。FCCは「電波天文学研究を妨害しないために、実施可能なあらゆる手段を尽くすべきである」とまで言明している。
面白いのはここからだ。NRAOの天文学者らはFCCのコメントでiRobotに返答している。例えば:
NRAO:「iRobotは、複数の恐ろしい事故やガソリン漏出の例を挙げて、同社のロボット芝刈機を認めることの公益を主張している。しかしながら、ワイヤーループ[埋め込みエッジワイヤー]を用いたロボット芝刈機は既に競争市場を形成しており、iRobotが現状の芝刈作業と関連付けている痛ましい事故の発生傾向を既に妨げている」
iRobotのファウンダー、Colin Angleがコンピューター科学で修士号を取得し、人工知能とロボット工学の深い知識を持っていることを踏まえれば、これが映画「メガマインド」に出てくる天才同士の戦いになることは必至である。このiRobot RLMと呼ばれるであろう新製品、そしてAngleらがどうやって星間メタノール分光法の妨害を回避するのか、どちらも興味深い。資料全文はこちらで見られる。
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(翻訳:Nob Takahashi / facebook)