日本交通の関連会社で、タクシー配車アプリ「全国タクシー」を運営するJapanTaxiは1月22日、国土交通省のライドシェア実証実験に参加するための公式アプリ「相乗りタクシー」をリリースした。
このアプリでは、ユーザーが乗る場所と行き先を指定することで、付近にいる同方向への相乗り希望ユーザーを検索してマッチング。乗車地や降車地が離れすぎているユーザー同士や、合理的なルートを算出できない位置にいるユーザー同士では相乗りが成立しないようになっているので、必ず通常のタクシー料金より安くなる仕組みだ。
同乗者がマッチして、ユーザー双方が相乗り条件に合意すると、近くのタクシーが配車システムで自動的に手配され、ユーザーの指定した場所へ順番に迎車に向かう。料金は乗車前に、ユーザーの乗車距離に応じて振り分けられた金額を確認できる。支払いは事前にアプリに登録したクレジットカードで行われる。
実証実験は1月22日から3月11日まで行われる。実験には日本交通グループの300台のタクシーが参加。配車エリアは東京都23区と武蔵野市、三鷹市だが、22日から23日にかけての大規模な積雪予報を受けて、安全性の面から、配車自体の開始は1月24日午前9時にずれ込むことになった。
アプリのダウンロードと会員登録は1月22日時点から受け付けており、実験期間中限定で公開される。提供されるのはiOS版のみとなる。
また相乗りタクシーは、ヴァル研究所、NTTドコモ、ナビタイムジャパン、日本航空の4企業とパートナーとしてサービス連携し、終電後などの交通手段としての利用促進や、ポータルサイトからの利用促進などを行っていく。
なお、ライドシェア実証実験には、大和自動車交通グループの参加も決まっている。こちらは既存の配車アプリ「大和自動車交通タクシー配車」内で、相乗りのマッチング機能を提供。アプリの地図上でターミナル駅近辺に配置された「乗場」アイコンをタップすることで、各乗場の相乗り募集を確認し、アプリ内で「相乗り乗車券」を購入するスタイルとなっている。
日本では、Uberが2012年に進出して、2014年3月にハイヤーの配車サービスを開始しているが、ライドシェア事業に関しては規制の壁があり、現在もサービス実現には至っていない。Uberが2015年2月に福岡で実施していた実験は国交省による行政指導で中止されている。