AmazonのCEO、Jeff Bezosは自身のヌード写真を盾にAMIから脅迫を受けていることを明らかにした。AMIはタブロイド紙National Enquirerの発行元であり、伝えられるところによれば政治的スパイの動きをしていて、トランプ大統領の名声を守る役を担っているとされている。こうした一連の動きは、奇妙な力が作用してアレンジされた“テックエリートvs大統領”の縮図のようだ。
ドラマティックで衆目を集めた離婚で最近ニュースになっていたBezosは、Mediumにブログを投稿し、自身がどのようにAMIのターゲットとなってきたかその過程の詳細を明らかにした。
事の始まりは、Bezosがプライベートセキュリティプロバイダーに委託し、調査者のGavin de Beckerが、どのようにNational EnquirerがBezosのプライベートなテキストメッセージや写真を入手(そして出版)したのかを調べたことだった。この調査には、Bezosが所有するワンシントンポスト紙への潜在的干渉とサウジアラビアとの関連性についても含まれている。
調査は、明らかにAMIのCEOで会長であるDavid Peckerには不都合だっただろう。
数日前、我々はAMIのリーダーから、我々が行なっている調査についてPecker氏が“カンカンに怒っている”とアドバイスされた。その理由として考えられるのは、サウジ関係のことが特に神経に触ったということだ。彼らは、もし我々が調査をやめなければ私のテキストメッセージや写真を掲載する、と言った。
彼らはBezosに「AMIの報道に政治的な意図や政治の影響があると思わせるものは見受けられなかった」と公に明らかにすることを要求した。これはまったく真実ではない、とBezosはブログに書いていて、彼は要求に屈するのではなく脅しを全て公開することにした。
AMIはBezos側に送ったメールで、AMIが入手した写真がどのようなものなのか詳細を描写している。BezosはAMIが仕掛けてきた攻撃をかわすために、描写された写真のリストをブログで公開したと思われる。写真はまさに個人的で読者の皆さんが想像するようなもので、その中にはBezosが付き合っていると報道されている女性が写っているものも含まれているようだ。
明らかにAMIは、Amazonの株主にBezosの判断力は劣るものだと示すために写真を公開することができる、と言っている。もちろんBezosが納得するはずがない。自身やポスト紙が脅しに妥協することよりも、自身の醜聞をさらすことを選んだ。
細かな点だが、Bezosは新聞は自身にとって“事を複雑にするもの”であると記しているが、彼は完全に打ち込んでいる。「ポスト紙での私の任務、そしてポスト紙の使命のサポート(これは今後も変わらないだろう)については、私が90歳になって人生を振り返る時に最も誇らしく思うだろう」と書いている。
とりわけ、Bezosはこうした脅しの情報をワシントンポスト紙とのつながりの元で(たとえば、同紙のオーナーとして、あるいは同紙の弁護士と連名の手紙というスタイルで)明らかにしないことを選択した。これはBezosが今回の件はかなり個人的な問題であり、AMIのお粗末なジャーナリズムプラクティス(AMIが悪意ある目的をジャーナリズムのように見せかけているのは事実だ)を非難していることを考慮してのことだろう。どのみちBezosにとっては、ワシントンポスト紙を乱用しているとの非難を受けることがないよう、十分な距離を保っていた方がいい。
おそらく読者の中には、写真についてはどうなるのか、AMIはそうした写真は合法的に入手したと主張できるか、と思う人もいるだろう。Bezosが公開したメールには次のように書かれている。
あなたのクライアントを含む問題に関する我々のニュース収集や報道は、あなたのクライアントの“プライベートな写真”の使用を含め、これまでも、そしてこれからも法に則っていることを、お知りおくよう。承知かと思うが、「コピーによる複写での使用を含め、著作物の公正使用は…批判、コメント、報道といった目的であれば…著作権侵害にはあたらない」と米国著作権法107条にある。
私には想像もつかない写真を公開することが“公正使用”となるかどうかは法的手段が伴われることになるだろうが、これは裁判所で判断される必要があるだろう。一方、AMIとNational Enquirerのこれまでのビジネス展開を考えたとき、彼らがこの手のことについて熟知しているのは確かだ。
この件は進行形であり、アップデートを随時チェックしてほしい。
イメージクレジット: Drew Angerer
(原文へ 翻訳:Mizoguchi)