今日まで、クラウドインフラ企業Joyentは、複数回の資金調達ラウンドにより合計1億2000万ドルを調達してきた。いちばん最近のシリーズD、2012年の8500万ドルが、額としては最大である。シリーズDまで行く企業はそんなに多くないが、しかしクラウドプラットホームプロバイダJoyentは今日、既存の投資家Intel Capital、Orascom TMT Investments、El Dorado Ventures、EPIC Ventures、LGI Venturesなどなどから、さらに1500万ドル(シリーズE)を調達したことを発表した。
Joyentの計画では、この資金は、Dockerとコンテナベースのインフラストラクチャという
最近のトレンドを、同社の機会として生かすために使われる。Joyentはプラットホームとしてのコンテナを10年あまり前から提供しているが、Dockerがクラウドインフラストラクチャの寵児としてもてはやされるようになるまでは、コンテナという技術の知名度はきわめて低かった。
JoyentのCEO Scott Hammondは今日の声明文の中で、次のように述べている: “弊社の顧客は今、我先にとDockerを採用してアプリケーションコンテナを作っている。そして彼らは、この新しい技術をJoyentの、すでに実証済みのインフラストラクチャコンテナの上で使いたいと願っている。アプリケーションコンテナとインフラストラクチャコンテナを組み合わせるという、この特別な技術により、データセンターが完全にディスラプトされ、ビジネスアプリケーションの作られ方と配布のされ方が変わる、とわれわれは信じている”。
Hammondは本誌のメールインタビューで、“市場もやっとコンテナの利点に注目するようになった”、と言っている。しかし彼はまた、今の企業はDockerと競合するようなコンテナ技術には関心がない、とも言う。“そこでうちは、これまでの経験を生かしてJoyentをDockerのコンテナを動かすための最良の場所にしたい”、と彼は語っている。
JoyentはSmartOSと呼ばれる独自のオペレーティングシステム仮想化層を使っている(OpenSolarisとLinuxの仮想化技術KVMを組み合わせたもの)。Hammondによると、この方式ではDockerのコンテナがベアメタルで動くため、“アプリケーションコンテナのためのランタイム環境として最良であり、弊社は、これらのコンテナを、エンタプライズ級のネットワーキングによりベアメタルのスピードでセキュアに動かすためにデータセンターの運用者が必要とする機能を提供する。また弊社のOS仮想化技術は高密度のワークロードを可能にする”。
Joyentは今後も、同社のコアビジネスであるパブリッククラウドプラットホームの提供を続けるが、それに加えて、ベアメタル上のコンテナを管理する必要のあるdevsやopsたち向けに新たなプロダクトやサービスを作っていく。それについてHammondは詳細を語らないが、要は、“Dockerをサポートし統合するためのプロダクトとサービスを開発していく”、ということだ。
ではなぜ、同社は、今というタイミングで増資を必要としたのか? “すべてはスピードのためだよ”、とHammondは言う。“これから技術のシフトが猛スピードで始まろうとしている”。VMWareがデベロッパのテスト環境からメジャーな普及に至るまで数年を要したが、今日の技術はもっと速いスピードで大量普及に到達するだろう。“今回のラウンドで開発をスピードアップし、ディスラプティブな技術の次の大きな波を、それに呑まれるのではなく、それを率先して動かしていく企業になりたい”。
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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))