JPG画像に100億円?希少価値のある優良NFTプロジェクトを買い漁るMeta4 Capitalの狙い

2020年のNFT(非代替性トークン)狂乱は、アート、トレーディングカードゲーム、豪華アバター、デジタル・オブジェクトなどさまざまな分野に暗号資産がなだれ込むきっかけとなったが、今のところ、機関投資家はこうしたブロックチェーンベース商品を注意深く見守りながら、背後にいるプラットフォームに株式投資べく資産を準備しているようだ。

フロリダ州マイアミ拠点のMeta4 Capital(メタ4キャピタル)は、このトレンドに逆らい、集めた資金をプロジェクトそのものにつぎ込み、画素の粗いカエルやデジタルの馬や少々疲れたサルを買い占めている。これは多くの伝統的スタートアップが一蹴する大胆な判断だが、チームはすでに大きな後ろ盾を得ている。リードインベスターはベンチャーキャピタルおAndreessen Horowitz(a16z)だ。Meta4は最終的に、a16zが支える1億ドル(約114億円)のファンドをターゲットにしている。

共同ファンダーのBrandon Buchanan(ブランドン・ブキャナン)氏とNabyl Charania(ナビル・チャラニア)氏は、著名VCのファンドに支えられて、予測可能性がないことでよく知られている市場に新境地を開こうとしている。Meta4の関心事は、認められた優良NFTプロジェクトの希少品を買うことであり、数には注目していない。2021年同社は、100万ドル(約1億1000万円)のパイロットファンドを立ち上げ、その資金でNFTを31件だけ購入した。その中には1組のCryptoPunks(クリプトパンク)やCrypToadz(クリプトトーズ)の他、 Zed Run(ゼッド・ラン)の馬がいくつか入っている。彼らの投資は、ここ数カ月の市場回復を受けて、すでに価値総額が500~600%になっていると言われている。

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2021年4月にBeeple(ピープル)のコラージュが6900万ドル(約78億6000万円)で売れた後、NFTが初めて多くの投資家の目に止まって以来、驚くばかりの資金がこのスペースに流入している。8月にはNFTプラットフォームのOpenSea(オープンシー)が取引高34億ドル(約3873億3000万円)の新記録を打ち立てた。劇的な投資急増のきっかけの1つとなったのが、ビジネスインフルエンサーのGary Vaynerchuk(ゲイリー・ベイナーチャック)氏が、稀少なCryptPunkサルを376万ドル(約4億3000万円)で買ったことだった。高額取引の勢いは続いた。今週、レアなBored Ape(ボアード・エイプ、退屈なサル)が270万ドル(実際には696.969ETH、約3億1000万円)で売れた。

「私は投資家に対し、『ツナミ』はまだきもいないと言っています。これは必要な代物、今すぐ必要な代物。エイリアンもサルも必要なのです」とブキャナン氏はTechCrunchのインタビューで語った。

NFTスペースに高まる興奮がある分、規制の明瞭性を欠いている。既存ルールの遵守も欠けている。規制当局はCoinbase(コインベース)などの主要取引所に焦点を宛てているようだが、暗号資産投資の世界に関わる前に証券弁護士だったブキャナン氏によると、人気のNFTプロジェクトは闇の領域に陥りつつあるという。多くのNFTプロジェクトが投資家資産のリターンに複雑なメカニズムを開発しており、ブキャナン氏が特に強調したのは、NFTオーナーに独自のトークンを与えるプロジェクトがいくつかあることで、そのふるまいは証券に酷似していると彼はいう。

「私たちがまだ買っていない商品があるのには理由があるのです」。

新しいプロジェクトが毎日出現し、資産の爆発はいくつもの急上昇ユニコーンNFTスタートアップを生み出した。その多くがMeta4を支えるa16zが支援しているもので、OpenSeaやトレーディングカードゲーム、NBA Top ShotのメーカーであるDapper Labs、Axie Infinityを作ったSky Mavisなどがいる。2021年の夏、a16zは22億ドル(約2506億5000万円)の暗号資産に特化したファンドを立ち上げた。Meta4によると、このファンドはアートやコレクションアイテムに焦点を絞り、NFTスタートアップへの株式投資は見合わすようだ。

「(a16zは)そちらはカバー済なのだと私は思っています」とブキャナン氏はいう。

画像クレジット:Meta4 Capital

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(文:Lucas Matney、翻訳:Nob Takahashi / facebook

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TechCrunch Japan

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