ジェイアール東日本フードビジネスは9月4日、JR東日本スタートアップの協力のもと「R・ベッカーズ」池袋東口店に新型のセルフ注文決済端末「O:der Kiosk(オーダーキオスク)」を導入した。JR東が駅ナカ店舗にO:der Kioskを導入するのはこれが初めてだ。このセルフ注文決済端末は本日より利用可能となった。
R・ベッカーズ池袋東口店では事前注文と決済が可能なモバイルオーダーサービスの「O:der(オーダー)」を導入済み。更にセルフ注文決済端末を導入する運びとなった同店舗を、JR東は「未来型店舗」と位置付けている。JR東日本グループでは、今後も未来型店舗を増やしていくほか、端末の多言語化を計画している。
O:der Kioskは、JR東日本グループとShowcase Gig(ショーケース・ギグ)が共同開発した端末。クレジットカードや交通系電子マネーによる決済に対応している。この注文端末の導入は、店舗側には、注文受付や会計業務の軽減や店舗オペレーションの効率化、省人化などのメリットがある。R・ベッカーズ池袋東口店においては1人分のレジ人員を削減できる見込みだという。また、顧客にとっては、レジの待ち時間の軽減、加えて注文した商品の調理進捗をデジタルサイネージで確認可能、などの利点がある。
ジェイアール東日本フードビジネスの代表取締役社長、山際貞史氏によると、O:der Kioskはまだ「開発の途上」。同社は今後、現金への対応や操作性の向上、また外国人対応のための多言語化を検証する。「来年度、東京オリンピックもある。それまでには(未来型店舗を)広げていきたい」(山際氏)。
O:derを開発するスタートアップ、Showcase Gigの代表取締役社長、新田剛史氏は「2013年(O:derサービススタート当時)、スマホで事前注文し、決済、飲食店の店頭で受け取るという形のサービスはまだ世界でも例がなかった。今年、2019年、モバイルオーダーが国内でもかなり色々なところでスタートし、注目が集まってきた」と話す。だが「モバイルオーダーを広げたいが、同時にバックアップとなるハードウェア端末を持っていないと一気には広がりにくいという課題を抱えていた。特にSUICAなどの交通系電子マネーが利用できる端末でないと国内では意味がないと考えていた」と加えた。
JR東日本スタートアップとShowcase Gigは2018年10月に資本業務提携を結んでいるが、今後も両社で協力し、未来型店舗を増やしていくことで、モバイルオーダーならびにセルフ注文決済端末の普及を加速させていく。
「海外では、モバイルオーダーとデジタルキオスクが両方セットアップされている店舗が、とてつもなく増えている状況だ」(新田氏)国内で初めて両方が揃うのが、未来型店舗として位置付けられているR・ベッカーズ池袋東口店。「未来型店舗という形での進化が、今日を皮切りに始まっていく」(新田氏)