Kia(起亜、キア)は、その社名から「Motor Company」(モーターカンパニー)の文字を削除することから2021年のスタートを切り、内燃機関からEV、モビリティーサービス、自動運転車技術へと事業の舵を切る戦略Plan S(プランS)の一環として、新しいロゴとスローガンを発表した。
現在、この韓国の自動車メーカーは、プランSから発売される最初の自動車の詳細を少しずつ流し始めている。米国時間3月9日、Kiaは同社の新しいElectric-Global Modular Platoform(エレクトリック・グローバル・モジュラー・プラットフォーム、E-GMP)上に構築された初めてのバッテリー式完全電気自動車EV6の予告画像数点を公開した。このプラットフォームはHyundai(現代、ヒュンダイ)との共用で、Hyundai Ioniq(アイオニック)5コンパクトクロスオーバーの土台にもなっている。
これはあくまで予告画像であり、完全な姿はわからない。だが、この小出しの画像だけでも、デザインの特長と、EV6に続く今度の電気自動車に採用されるKiaのデザイン言語が十分に見てとれる。
EV6は4ドアのクロスオーバーだ。米国におけるこの車種の人気を考えると、意外なことではない。低いフロントエンドからルーフに流れるラインはクーペを思わせる。LEDのヘッドライトにはセグメントパターンが採用され、内燃機関の自動車にあった伝統的なフロントグリルは廃されている。
同社はまた、新しい命名方式も公表した。これは、ユーザーが他の車種とEVラインアップを容易に区別できるようにするためのものだ。バッテリー式の完全電気自動車は、頭に「EV」が付くとKiaは話している。その後に、ラインアップの中の位置を示す数字が続く。そのため、EV6は、将来のラインナップの中間に位置する車であることがわかる。
Kiaは、2021年第1四半期にEV6のワールドプレミアイベントを予定している。
「私たちの目標は、このブランドの物理的なエクスペリエンスをデザインし、大胆かつオリジナルで革新的な電気自動車を創造することにあります」と、Kiaグローバルデザインセンターの責任者であり上級副社長のKarim Habib(カリーム・ハビブ)氏は声明の中で述べている。
だがKiaの戦略は、単に大胆かつオリジナルで革新的な電気自動車を作ること以上に野心的だ。2020年、KiaはEV時代のパイオニアになりたいと語っていた。ミレニアル世代とZ世代に愛される、チャレンジとイノベーションの象徴になろうとしている。こうしたKiaの向上心溢れる方針の背後には、2025年までにEVを11車種投入、世界のEV市場のシェアを6.6パーセント獲得、2026年までに年間50万台の電気自動車を販売、さらに法人顧客向けに特注仕様の電気自動車を提供するという、販売と生産の目標がある。
この取り組みは、2025年末までに最大29兆ウォン(約2兆7700億円)の資金投入に支えられることになっている。Kiaは、この期間内に営業利益率6パーセント、株主資本利益率(ROE)10.6パーセントを目指すという。
EV6はプランSの最初の製品だ。これが、Kiaの壮大な計画が実現可能かどうかを株主と顧客に示すこととなる。つまりEV6は、Kiaにとって非常に重要なクルマとなるということだ。
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画像クレジット:Kia
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(文:Kirsten Korosec、翻訳:金井哲夫)