Lucid Groupの第3四半期末以降のEV予約が1万7000台を突破

Lucid Group(ルーシッドグループ)は上場企業としての最初の四半期を終えた。急成長する高級EV市場で頂点を目指す中、株価は上昇し、顧客への納車も進む。

同社は、2007年にAtievaという名で創業して以来、長い道のりを歩んできた。EV用バッテリーやパワートレインの製造から高級車の製造にシフトし、2021年最も注目されたEV SPAC取引の1つであるChurchill Capital IV Corpとの合併を経て、7月に株式を公開した。

この新規参入EV企業の株価は、10月27日の27ドル(約3100円)前後から、米国時間11月15日の市場終了時には44.88ドル(約5100円)と、この1カ月で約2倍になった。これは、同社が10月末に、16万9000ドル(約1920万円)のセダン「Air Dream Edition」を20数台、顧客へ納入し始めたためだと思われる。その数週間前には、このモデルのEPA(米環境保護庁)認定の航続距離が520マイル(約837km)以上と、市販されているEVの中で最長であると発表していた。

全体として、第3四半期の顧客からの予約は1万3000件に増加し、それが約13億ドル(約1480億円)という売上高に反映された。また、7月には1万1000台だった予約が、四半期末には1万7000台超に増加した。Lucid GroupのCEOであるPeter Rawlinson(ピーター・ローリンソン)氏は、11月15日に投資家に対し、予約の大部分は米国からであり、予約件数順ではサウジアラビアが第2位だったと話した。同社は、サウジアラビアの政府系ファンドから大規模な投資を受けており、現在も同ファンドは筆頭株主だ。

ローリンソン氏は声明で、2022年には2万台の生産能力を達成できることを確信していると述べた。同社の長期的な目標は、それよりほんの少しだけ野心的なもので、10年後までに50万台としている。だが、まずは、520台のDream Editionを顧客に届けることが目標だ。その後、Grand Touring、Touring、Air Pure(ベースモデルで、価格は約7万7000ドル[約880万円]から)を来年に出荷する予定だ。

いずれの車両も、アリゾナ州カサグランデにある同社の工場で生産される。同工場は今後、約285万平方フィート(約26万平方メートル)にまで拡張する。ミステリアスなSUV「Project Gravity」を含め、最終的には2023年末までに同工場で年間最大9万台、全体では最大36万5000台の製造を目指す、とローリンソン氏は話す。

Gravityは2023年後半の生産に向け順調に進んでいることを、幹部が投資家向け電話会議で認めた。ローリンソン氏は、このSUVについて「AirがSUVの分野で果たしたように、GravityもSUVの分野で破壊的な役割を果たします」と誓った以外には、あまり詳細に触れなかった。

財務面では、SPACとの合併とPIPE(公開会社による私募増資)による44億ドル(約5020億円)と、SPAC取引終了時の貸借対照表上の現金を合わせ、約48億ドル(約5470億円)の現金残高で四半期を終えた。CFOのSherry House(シェリー・ハウス)氏は、生産コストは今期の利益に反映されているものの、顧客への納入が10月30日に始まったため、車の売り上げが財務諸表に反映されるのは次の四半期になってからだと明言した。

また、11月15日には、Lucid AirがMotorTrendの2022年カー・オブ・ザ・イヤーに選ばれたことが発表された。「新しいブランド、新しい会社が受賞したことは、私の知る限り、過去に一度しかありません。私はその場にいたので知っています」と、2012年にTesla(テスラ)がModel Sで受賞したときのことを指して、ローリンソン氏は語った。同氏は、2009年にTeslaに入社して以来、Model Sの車両エンジニアを務めていた。

画像クレジット:Kirsten Korosec

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(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Nariko Mizoguchi

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TechCrunch Japan

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