本日(米国時間10/20)Microsoftは、会計2017年度第1四半期の決算報告を発表した。要約すると、Azureを始めとするオフィス向け製品が収益の成長を後押しし、Microsoftはモバイルをほぼ諦めた。そして、クラウド事業急成長のニュースを受け、株価は時間外取引で急騰し1999年に記録した最高値を上回った。
データ
- 同社の非GAAP売上は223億ドル(GAAP 205億ドル)、非GAAP1株当たり利益は0.76ドル(GAAP 0.60ドル)だった。
- ウォール街の予測は、売上217.1億ドル、1株当たり利益0.68ドルだった。
- 前年同期のMicrosoftは、売上217億ドル、1株当たり利益0.67ドルであり、今四半期のアナリスト予測はほぼ前年同期並みだったことになる。
- 直近の2016年Q4は売上226億ドル、EPS 0.69ドルでウォール街予測を上回った。
注目すべき理由
- Microsoftは変遷の真直中にいる。モバイル機器事業を切り捨て、Office 365やAzureといったエンタープライズ・ソリューションに焦点を絞ってきた。投資家とアナリストが特に重視しているのがMicrosoftのクラウドビジネス(Azure)で、圧倒的に巨大なAmazonのAWSと競合しながらも最近の四半期で伸びを見せている。
- Azureの売上は対前期比116%増、「インテリジェント・クラウド」セグメント(Azure以外のサーバー製品)は8%増だった。またOfficeビジネス売上は対前期比5%増、消費者売上は同じく8%増だった。
- その他、Microsoftのモバイル事業は、同社の方針転換の結果72%の大幅ダウンとなった。
- Surfaceビジネスは前年同期比38%増だった。
- Microsoftの株価は1999年以来初めての最高値を記録し、改めてエンタープライズ・ソリューションへに焦点を絞った同社の方針を、株主が歓迎していることを示した。
今後の注目は?
- MicrosoftのLinkedIn買収案はまだ確定していないため、今日の決算報告にはほとんど影響がなかった。規制当局の承認が得られ正式契約した時点で、LinkedInはMicrosoftの収益に組み込まれる。
- 同社は10月26日のイベントで何らかの新製品を発表するが、新しいSurfaceタブレットと、おそらく新しいWindowsソフトウェアが出てくるものと思われる。
- MicrosoftはAIへの取組みを強化しており、Harry Shumの下にAI研究部門を新たに設置した。Satya NadellaはAIを「われわれの野心の交差点」と呼んでいる。
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(翻訳:Nob Takahashi / facebook)