Microsoft、Windows 8.1の開発完了を宣言―ただし公開は10月18日

今日(米国時間8/27)、MicrosoftはWindows 8.1の開発が完了し、生産を開始したと発表した。しかしわれわれ一般ユーザーが手にうするのは10月18日まで待たねばならない。MSDNとTechNetの契約ユーザーも事前入手はできないという。

Windows 8.1はタブレット市場を目指した2度目OSであり、かつ低調を伝えられるパソコン市場の再活性化を狙う試みとして非常に重要な製品だ。Windows 8.1がユーザーを満足させる大幅なアップグレードになっており、かつハードウェア・メーカーにも魅力的であれば、Microsoftはパソコン市場の凋落をかなりの程度減速することができるかもしれない。そうでなければパソコンの衰退は加速し、社内でのWindows事業部の存在感もますます低下することになろう。

Windows 8.1でパソコンの退潮を止めることはできないだろうが、Microsoftがタブレット市場でシェアを拡大することはできるかもしれない。Windows 8.1がタブレットで成功すればWindowsはパソコン専用のOSではなくなる。Microsoftはパソコンの売上が落ちても、タブレットでWindowsの出荷本数の穴埋めができるかもしれない。

MicrosoftはWindows 8.1を「大幅なアップデート」だとしている。これは事実だ。またそうしたOSの大幅なアップデートを極めて短期間に実施できたことを自慢している。もっとも評判の悪いWindos 8をそのままにしてクリスマス商戦を迎えたらどうなっていたか容易に想像がつく。Microsoftとしては是が非でも早い時期にアップデートを実施する必要があったわけだ。

Windows 8.1は、数ヶ月前に私が書いたように、既存機能の改良、インタフェース・デザインの変更に加えて、Winows 8で問題になっていた箇所w修正する重要な新機能の追加などからなっている。Windows 8に対する実質的に重要なアップグレードといってよい。しかし、製品が公開されて一般ユーザーからのフィードバックが得られるまでは、この改良が十分だったかどうかは分からない。なるほど重要なアップデートだ。しかし十分だったかというのがポイントだ。

私はWindows 8.1だけでは十分とは言えないと予測する。つまりソフトウェアのアップデートに見合った魅力的な新しいハードウェアが登場しなければユーザーに財布のヒモを緩めさせることはできないだろう。しかしよく出来たタッチスクリーンを備えたデバイスとWindows 8.1の組み合わせには説得力あるユーザー体験になると思う。

いずれにせよあと2ヶ月だ。Windows 8.1はすぐそこまでやって来ている。

トップ画像:Dell Inc.

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


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TechCrunch Japan

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