MicrosoftがKubernetesデプロイ技術とツールのベテランDeisを買収、Azureのコンテナプラットホームを強化

Microsoftが今日(米国時間4/10)、Googleが産み育てたコンテナオーケストレーションサービスKubernetesの上でアプリケーションを構築し管理するための、さまざまなツールを作っているDeis買収したことを発表した。買収の価額は公表されていない。

なおDeisは2015年にEngine Yardに買収されており、したがってMicrosoftは実際には、Engine YardからDeisを買収したのである。

Microsoft Azureのコンテナサービスは、Mesos、Docker Swarmなどさまざまなコンテナオーケストレーションフレームワークをサポートしていたが、Kubernetesが急速にデファクトスタンダードになり、Microsoftも最近はKubernetesへの投資を増やしていた。コンテナがアプリケーションの構築とデプロイの方法を根本的に変えつつある現状では、Microsoftとしてもそのトレンドの最先端に付き添って行かざるをえない。

“最近では、コンテナ化したワークロードをAzure上でデプロイする顧客や、またそのことへの関心が爆発的に増えている。われわれとしても、Azureをコンテナのためのベストの場所にしていきたい”、とMicrosoftのクラウド/エンタープライズ担当SVP Scott Guthrieが今日の発表声明で書いている。“そのための活動の一環として、今回Deisの買収合意を発表できることは、とても喜ばしい。同社は、コンテナ革命の主役的な企業の一つなのだ”。

この買収の目的は明らかに技術の獲得だが、Kubernetesのベテラン技術者という希少財を路上で素手で見つけることはきわめて困難だから、今回MicrosoftはKubernetesに詳しい人材を一挙に大量に取得したことになる。

Deisの中核製品は、Kubernetesのデプロイを管理するための三つのオープンソースツールだ:まず、デベロッパーとオペレーションチームがコンテナ化アプリケーションを容易にデプロイし管理できるためのプラットホームWorkflow、そしてKubernetesのパッケージマネージャーHelm、そしてアプリケーション間通信をサポートするKubernetesネイティブのサービスブローカーStewardだ。そのほかの類似企業と同様に、同社のビジネスモデルも、これらのアプリケーションの有料サポートと教育だ。

Microsoft傘下になってからもチームはこれらのツールの開発とサポートを継続するが、現在のユーザーの中にはMozillaやCloudMine、SocialRadarなどもいる。MicrosoftのGuthrieによると、“Deisのチームは、オープンソース技術の深い経験をもたらし、Microsoftのの顧客の選択肢をさらに充実し、デベロッパーの生産性の向上に寄与していくことだろう”、という。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

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TechCrunch Japan

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