Windows 8.1プレビュー版が公開されてから1週間以上が過ぎた。このアップデートの呼び物の一つがスタートボタン(スタートメニューではない)の復活だった。そして、新バージョンをしばらく使ってみた結果、そんな妥協はしたものの、古きデスクトップは帰ってこないことが明らかになった。Windows 8.1に新しく加わったお楽しみは、すべてタッチスクリーン端末向けで、オペレーティングシステムのMetro/Windows 8側で起きている。今やデスクトップはMicrosoftにとって付け足しである。
ビジネスユーザーのためには、MicrosoftはWindows 8.1に主としてデスクトップに関連する新たなセキュリティー機能を追加したが、それ以外にデスクトップにかかわる新しいツールで面白そうなものは一つもない。新しい検索ツールは非常によくできているが、Windows 8モードで動作する。Xbox Musicには新しくラジオモードが加わったが、Metroスタイルのアプリでのみ利用できる。同じことは、Kinect風ハンズフリーモードの付いたレシピアプリや、SkyDrive、リーディングリスト、改善されたメールアプリ、さらにはタッチベースのWindows 8モードではUIが多少変更されたが、デスクトップでは変わらないInternet Explorer 11にもあてはまる。加えて、待ち望まれたマルチスクリーン設定はすべてWindows 8アプリを動かしているユーザーのためだ。
実際、Windows 8.1を使えば使うほど、私はタブレットOSにデスクトップが押し込まれたように感じる。最初のバージョンでは、逆に感じていた。今やWindows 8アプリは好きなようにリサイズして複数のアプリを同時に使える。Windows 8はフル装備のタブレットOSとして、アプリが揃えばAppleやGoogleと戦えるところまで来ている。
例えば、メールのリンクをクリックした時に、メールとブラウザーが並んで表示されるのは理にかなっており、何度か試すと自然に感じられる。Skype等一部のアプリは、この新しいモードに対応するアップデートがなされていないが、8.1が正式公開されるまでにアップデートされるはずだ。
また、Microsoftは近々Windows 8用のOfficeアプリも公開予定なので、多くのビジネスユーザーにとってデスクトップへの切り替えは不要になるだろう。
タブレットモードの一つの問題は、例えば、左右にすばやくスワイプするとバックグラウンドで動作中のアプリ一覧が出てくるなど、ジェスチャーの多くが直感的でないことだ(しかも、これは2つのアプリを並べて表示する唯一の方法でもある)。しかし、慣れてしまえば、Windows 8を近代的タブレットOSのように感じられるようになる。
そして時折デスクトップに来ると、今やこれはレガシーモードなのだと思い知る。まるでMicrosoftにとってデスクトップは付け足しで、今後数年のうちにわれわれ全員がタッチスクリーンに移行することに賭けているかのようだ。スタートボタンを除き、Windows 8.1で事実上デスクトップは手を加えられていない。以前は何か意味のあることをするたびにデスクトップセッションに切り替わっていた設定メニューさえ、今はWindows 8アプリだ。Microsoftは当分デスクトップのサポートを続けなければならない。しかし今後益々、われわれの付き合うオペレーティングシステムは二重人格ではなくなり、一方が非常に優位な側に立ち、他方が便乗させてもらうものになりそうだ。
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(翻訳:Nob Takahashi)